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■またバカ発見  「加古川市民病院、急患死亡で敗訴 現場に波紋今も」 ※このブログに中傷の意図はありません。

ネタ元は、

新小児科医のつぶやき
2008-09-21 日曜怒話
http://d.hatena.ne.jp/Yosyan/20080921

です。

いつも大変お世話になっております。






一気に

現場の医師のやる気を失わせた

「加古川市民病院 心筋梗塞裁判」。








現場の医師は

非常に優れた判断をしていますが、

それでも

「死んだら訴訟に負ける」

という判決が出ています。





こんな判決が出たので、

救急現場では、





「専門外の救急車を受けると

医師人生が終わる、という判決」



「危ない患者は、

最初から高度な病院に行くべき」



「万全ではない普通の病院に行って

万が一問題が起きたら

訴訟で負ける」





という認識に

なりました。




まあ、当然です。




さらに、

おかしなコメントが紙面には踊っています。


>患者の立場で医療訴訟を多く手がけてきた泉公一弁護士
「判決は、証拠に基づいた極めて妥当な内容。医療側の過剰反応ではないか」
>と指摘する。






これを「極めて妥当」

というのなら、

「全国の救急患者は

すべからく

高次救急病院だけが受けるべき」

ということです。




こんな判決が続々と出て、

医師は現場を去っているのです。








加古川市民病院、急患死亡で敗訴 現場に波紋今も 

2008/09/20 神戸新聞
http://www.kobe-np.co.jp/news/kurashi/0001463280.shtml

 昨年四月に言い渡された一つの判決が医療現場に波紋を広げている。加古川市の加古川市民病院が、心筋梗塞(しんきんこうそく)の急患に適切な対応をせず死亡させたとして、約三千九百万円の損害賠償を命じられた神戸地裁判決。医師の手薄な休日の急患だったことから、病院関係者は
「医師不足の中で患者を受け入れている現状を考慮していない」
と反発。救急患者の受け入れに慎重になる動きも出ている。一方、医療訴訟に詳しい弁護士は「過剰反応」と指摘する。(東播支社・田中伸明)

 「判決を理由に、救急患者の受け入れを断る医療機関は多い」-。
姫路市消防局の担当者は打ち明ける。

 以前は、専門的な治療ができなくても重症患者を受け入れ、転送先が決まるまで応急処置をしていた医療機関が、受け入れに慎重になる例が目立つという。

 姫路市では昨年十二月、十七病院から受け入れを断られた救急患者が死亡した。担当者は「判決が、救急事情悪化の背景になったことは否めない」とする。

 裁判は、心筋梗塞への専門的な治療体制を持たない加古川市民病院の転送義務が争点になった。

 二〇〇三年三月三十日、男性患者=当時(64)=が息苦しさを訴え、以前かかっていた同病院を受診。対応した医師は心筋梗塞を強く疑い、血管を拡張するための点滴をしたが回復せず、来院の約一時間半後に他病院へ転送依頼。しかし、その後容体が悪化、死亡した。

 遺族側は、重症の心筋梗塞には管状の「カテーテル」を挿入する治療法が欠かせないと指摘。この治療ができない同病院は、ほかの医療機関へ男性を速やかに転送すべきだったのに、その義務を怠った-と主張した。

 一方、病院側は、当日は日曜で他病院の受け入れ態勢も十分ではなく、病院間の協力態勢も確立されていなかったなどとし、早急な転送は困難だった-とした。

 判決は、患者側の主張を全面的に認め、訴額全額の支払いを命じた。病院側は控訴しなかった。

     ◆

 判決は、病院の勤務医らの反発を呼んだ。

 交通事故の重症患者を受け入れている姫路市内の病院の救急担当医は「自分たちで対応できる状態かどうか、受け入れてみないと分からない。能力を超えた場合、近隣で転送先を探すのは難しい」と強調する。

 山間部の小規模病院の医師も「専門的な治療体制がより求められるようになれば、可能な限り患者を受け入れるへき地の診療が成り立たなくなる」と話す。

 近年の公立病院などでの医師不足は、訴訟や刑事訴追の増加が一因とされる。加古川市民病院の判決は、福島県立大野病院の産婦人科医逮捕などと同様、医師向けのブログなどで「不当」との批判が相次いでいる。

 こうした動きに対し、患者の立場で医療訴訟を多く手がけてきた泉公一弁護士
「判決は、証拠に基づいた極めて妥当な内容。医療側の過剰反応ではないか」
と指摘する。

 「医療現場の事情についても判決は十分考慮した上で、病院側の過失を認定している。内容を精査せず、患者との対立をあおるのは医療不信を招く」と冷静な対応を求めている。



患者死亡までの経過
2003年3月30日正午ごろ 男性が息苦しさや嘔吐などを訴える
午後0時15分ごろ 加古川市民病院に自家用車で来院。
その後、心電図で心筋梗塞の疑い
同1時3分 血管拡張薬の点滴開始
同1時50分 高砂市民病院に転送受け入れ要請
同2時15分 同病院から受け入れ了承の連絡
同2時25分 救急車が到着
同2時30分 男性の容体が悪化し、心停止状態に
同3時36分 死亡確認






詳細は

(1)や(2)に詳しいので

是非お読みください。








今回の加古川医療訴訟では

一般のかたには

ビックネームの先生も出ています(笑)。

>なお,原告側からは,森功医師の意見書が提出されている。


この方も、

医療関係者には

本当に妥当性のある意見か

一部には、疑わしいとの評判です。






「森功」先生は

ネットでは

「森功名心」先生と呼ばれています(笑)。







控訴しなかった病院も

”へたれ”

呼ばわりされています。





こんな狂った、

”満額回答”の判決を

そのまま受け入れて

確定してしまっているのですから。






この判決が出て、

日本の救急医療は

”終了”した

と言われれています(笑)。





僻地で専門医がいない病院は、

救急車が前を素通りするだけの

たんなる”大きな診療所”だ、

四の五の言わずに大病院へ行け、



裁判所が認定したわけですから(笑)。







医療裁判って、

こんな

判決ばかりです…。







医療崩壊が叫ばれていますが、

実は、

裁判所の判決通りに、



「中小の病院で患者さんを診たら

かならず救命しないと有罪」



という判決通りに、

裁判所が認めた通りに

医療側が対応しているだけです。




だって、100%救命なんて不可能ですから。

そして、

100%救命しないと有罪、

搬送しても途中で死亡しても有罪、



裁判所が認定

しているわけですから。






判決通りに

100%救命できない救急から撤退して、

日本全国で医療崩壊。





これを

医療のせいにされても困ります。





>判決は、証拠に基づいた極めて妥当な内容

なのだそうですから、

「妥当な内容」にあうように

中小の病院が救急から撤退するのも

「妥当」というわけです。







私にはとてもこんな判決内容を

「妥当」

なんて言うことはできませんが。







(1)
健康、病気なし、医者いらず

加古川、心筋梗塞事件。衝撃の事実
http://kenkoubyoukinashi.blog36.fc2.com/blog-entry-182.html

加古川心筋梗塞事件、判決文
http://kenkoubyoukinashi.blog36.fc2.com/blog-date-20070804.html

加古川心筋梗塞事件、判決文2
http://kenkoubyoukinashi.blog36.fc2.com/blog-date-20070807.html

(2)
新小児科医のつぶやき
2007-07-31 加古川心筋梗塞訴訟・法廷の実相
http://d.hatena.ne.jp/Yosyan/20070731

より引用。

12時ごろ 自宅で発作。家族がY病院に電話し,Y病院看護師が「心筋梗塞と思われるのですぐに来院するように」と指示。

12:15 病院に到着

12:30 この時間までに心電図検査がなされ,心電図上,II,III,aVfにST上昇が見られた。さらにZ医師は,本件患者を問診し,11時30分ころから胸痛が持続していることを聞いた。

12:39 Z医師は,心筋梗塞を強く疑い,採血オーダーを出した。Z医師は,本件患者が急性心筋梗塞であると判断したが,直ちに上記三病院の一つに転送するための行動はとらなかった。

12:45 ソリタT3 500mlを点滴してルート確保

13:03 ミリスロールを点滴開始。本件患者の血圧は150/96で,胸部圧迫痛は持続していた。

13:10 血液検査オーダーとは別途,Z医師自らトロポニン検査を実施したところ,心筋梗塞陰性との結果を得た。

13:40 血液検査の結果が出て,心筋梗塞陰性だった。

13:50 Z医師は,転送を決定し,高砂市民病院に転院の受入れを要請した。

14:15 高砂市民病院から受入了承の連絡を受けた。

14:21 救急車の出動を要請した。

14:25 救急車到着。本件患者は,内科処置室の被告病院のストレッチャーの上で点滴を受けており,意識は清明。

14:30 救急車のストレッチャーに移す際に意識喪失,呼吸不安定。ストレッチャーに移された直後に徐脳硬直が見られた。それまでモニターは装着されていなかったし,容態急変の直後にもモニターは装着されていなかった。

Z医師は,これをみて,脳梗塞を合併したと疑い,救急隊にCT室に運ぶように指示したが,CT室に着く前に自発呼吸まで消失したので,蘇生のため処置室に戻した。

14:47 エピネフリン投与。援助を求められた別医師が気管挿管。

15:36 死亡確認。なお電気的除細動は一度も行われていない。



>なお,原告側からは,森功医師の意見書が提出されている。




※このブログに中傷の意図はありません。



関連記事

■「高齢医療見直し 根回し不足、与党に波紋 舛添発言、選挙効果は未知数」

後期高齢者医療制度が

いきなりつぶれそうです(笑)。






次には何が出てくるのかな(爆)?









高齢医療見直し 根回し不足、与党に波紋 舛添発言、選挙効果は未知数

2008年9月21日 読売新聞

 舛添厚生労働相が突然、75歳以上を対象とした後期高齢者医療制度(長寿医療制度)の見直しを打ち出したことが、政府・与党に波紋を広げている。事前の根回しがなかったためで、衆院選へのプラス効果を疑問視する声も少なくない。

 舛添氏は20日のテレビ番組で、「国民が支持しないような制度は大胆に見直すべきだ」と述べ、新制度創設の必要性を強調した。

〈1〉加入者を年齢で区分しない
〈2〉現役世代と高齢者世代の保険料負担の不公平感を助長しない
〈3〉年金からの保険料の天引きを強制しない

――との3原則で構築するとの構想も示した。

 これまで「加入者を75歳で区切るのは、医学的な意味がある」と擁護してきた舛添氏が主張を百八十度転換した形だ。19日夜には記者団に対し、自民党総裁選で選出が確実視される麻生太郎幹事長から「賛同を得た」ことも明かした。

 与党は「10月14日公示―26日投開票」の日程で衆院選準備を急いでいる。ところが、公示日の翌日にあたる10月15日に支給される年金で保険料が天引きされる。与党には、4月の衆院山口2区補欠選挙で天引きが告示日と重なり、同制度への批判が逆風となって自民党候補が民主党候補に敗れた苦い記憶が残っている。

 このため、自民党内には「10月の天引きは凍結すべきだ」「いっそ制度の廃止を打ち出して衆院選を戦う方がいい」との声が出ていた。舛添氏の発言も同じ流れのものとみられる。

 ただ、衆院選への効果については、

「これでは廃止だけを主張している野党を攻撃しにくい」
「ようやく制度への理解も浸透していたのに、寝た子を起こすようなもの」

との声もある。 20日、熊本県など九州で行われた自民党総裁選の演説では、与謝野経済財政相が、舛添氏の発言について、「言っていることがふらふらふらふら毎日変わるんじゃだめだ」と厳しく批判。舛添氏が「賛同」を得たとする麻生氏は、後期高齢者医療制度には触れなかった。

 露骨に不快感をあらわにしたのは公明党の山口政調会長だ。支持団体の創価学会会員からの批判に制度導入の意義を繰り返し説明してきただけに、山口氏は舛添氏と同じテレビ番組で、

「今までいい制度だからと大臣がおすすめになるから、与党は大臣を支えて国民のみなさんに説明してきたわけですよ」

と舛添氏に不満をぶつけた。

 一方、野党は格好の攻撃材料を得た形だ。民主党の鳩山幹事長は20日、東京都内での街頭演説で、

選挙直前に党利党略で発想を変えること自体、大変いかがわしさを禁じ得ない」

と批判した。

 後期高齢者医療制度 75歳以上の高齢者ら約1300万人を対象とした公的医療保険。75歳の誕生日を迎えた時点で強制的に移行する。保険料は原則、2か月に1度支給される年金から天引きされる。約11兆円の医療給付費を公費5割、現役世代の保険料4割、高齢者の保険料1割で賄う。旧老人保健制度は医療費を支援する現役世代の負担に歯止めがかからない恐れがあり、世代間の負担割合を明確にするため導入された。






作ったばかりの政策を

選挙のために潰すとは、

いったい何を考えてこの政策を

進めていたのでしょう?





もちろん、当ブログ的には

後期高齢者医療制度は

廃止を希望しています。




しかし、

これほど”おバカ”な路線転換は

政治の力が衰えた証拠ではないでしょうか?






人口問題は

当然のことながら、

ものすごく前から分かっています。




なぜなら、

生まれてから

死ぬまで、

大きな戦争などがない限り、

将来的な予想は立てやすく、

他の予想に比べて

大きな変化の可能性は低いと

考えられます。







なのに、

日本の人口分布に即した

医療制度を打ち立てて

あっという間に

”あ、ダメでした。スグ、やめます”

というレヴェルで

政策を立てていること自体に

大きな失望感を覚えます。






100年どころか

10年、1年先も

見通していない

出たとこ勝負の政策では、

日本に

「日はまた昇る」(1)

ことはないでしょう。





(1)
バブル崩壊を予言したのビル・エモット氏。

2006年の著書です。

日はまた昇る 日本のこれからの15年日はまた昇る 日本のこれからの15年
(2006/01/31)
ビル・エモット

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彼の予言するように、

日本は正しい道を歩んでいるのでしょうか…?























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大学院卒業(医学博士): 4年間、院生は学費支払って給料なし。
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さらにアメリカの大学勤務: 激安給料
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日本の大学病院勤務: 労働基準法が存在しない。

フルコースをこなしたため貧乏から抜け出せず。
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大学から地域(僻地ともいう)の救急医療で疲弊しました。
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田舎で開業、借金は天文学的数字に。


今は田舎で開業して院長になりました。
でも、教授に内緒で開業準備していたころのハンドルネーム”中間管理職”のままでブログを運営してます。

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