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■開業つれづれ:「医療事故対策:厚労省モデル事業、死因究明は目標の1割--05年度開始からの5年」


どうなるんだか

全く不明の医療事故調。





医師の責任問題も含めて、

きちんとした行政、法整備が

されなければ

いったんトラブルがなにかあれば

基準ははっきりしないけど

医師個人が徹底的に攻められて終了、

という雰囲気はかわらないでしょう。





医療に従事する医師の安心感を

得られるような制度設計に

なっているようには思えません。






医療事故対策:厚労省モデル事業、死因究明は目標の1割--05年度開始からの5年



毎日新聞 2010年6月28日 東京夕刊

http://mainichi.jp/select/seiji/news/20100628dde041040023000c.html

 ◇解剖同意、周知不足が壁に

 診療行為に関連して死亡した患者の死因を究明し、再発防止を図る厚生労働省のモデル事業の受付件数が、年間200件とした当初の目標を大幅に下回り、05年度の事業開始からの5年間で105件にとどまったことが分かった。遺族から解剖の同意が得られないことや、医療機関や警察に対する事業の周知不足などが理由とみられる。こうした事態を受け、運営主体の日本医療安全調査機構は、事業の見直しを始めた。

 モデル事業は、医療事故の原因究明と再発防止を担う第三者機関の創設を視野に、東京や大阪など10カ所で実施。入院中や診療直後の急死事案があった場合、医療機関は遺族の承諾を得て各地の事務局に連絡し、機構に登録した解剖担当医らが解剖を行うとともにカルテを調査する。弁護士らも交えた評価委員会が報告書をまとめる。

 機構によると、目標件数は行政解剖件数などを参考に決められたが、05年度(7カ月)は13件、06年度は36件と低迷。3年目の07年度からは目標を年間80件に下げたが、年10~20件台で推移し、

5年間では当初目標の10分の1

にとどまった。

 事務局に相談があったものの、対象にならなかった事例も196件あった。内訳は「解剖の同意が得られなかった」が最多で60件。遺族の中には遺体を傷つけたくないと考えたり、大学病院に遺体を移動することへの抵抗感があるという。

 そのほか、「医師法21条(異状死体の届け出義務)に基づき警察にも届けられ、

司法解剖や行政解剖の対象になった」が33件

「遺族の相談を受けたが、調査の前提となる医療機関からの依頼がなかった」が30件--などとなっている。

 機構は今月、見直しに向けた会議の初会合を開催。解剖の同意を得やすい環境整備のため、解剖担当医などを派遣し、依頼があった医療機関でも解剖を行う方向で調整することを決めた。さらに、司法、行政解剖の対象にならなかった事例はモデル事業に委ねてもらうよう、警察庁へ働きかけることを厚労省に要請する方針だ。

 第三者機関の創設を巡っては、各病院での事故調査を優先すべきだとする民主党が政権を握り、論議は止まっている。【佐々木洋】






モデル事業の問題点は

1.医師法21条に代わる制度として期待されながら、

異状死体の場合には警察署に届け出るべきだとされている

2.医療施設、遺族、民間保険会社、医師会、裁判所の判断を

拘束できないので、医療トラブルの抜本的な解決にはならない

3.対象地域や受付時間が限られている、

などがあげられています((1)より抜粋)。




なによりも

法的な位置が不安定であり、

警察を含めた関係機関との

位置が微妙過ぎる気がします。




医療事故、医療トラブルに関しては

何らかの対策が絶対に必要ですが、

医師の権利についての保護もなければ

第一線の医師は怖くて医療ができなくなってしまいます。










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■開業つれづれ:「厚労省案は「そのまま成案にはならず」-医療事故調で足立政務官」





医師の土下座法案は

見直しされるようです。





厚労省案は「そのまま成案にはならず」-医療事故調で足立政務官



更新:2010/02/23 21:23  キャリアブレイン


http://www.cabrain.net/news/article/newsId/26493.html

 足立信也厚生労働政務官は2月23日の衆院予算委員会で、医療事故の死因究明などを行う第三者機関の

「医療安全調査委員会」(仮称)

を設置することなどを盛り込んだ自公連立政権時の「厚労省案」について、

「そのまま成案になることはない」

との考えを示した。岡本充功氏(民主)の質問に答えた。


 医療事故調査のあり方をめぐっては、厚労省が2008年4月に「第三次試案」、6月に「医療安全調査委員会設置法案(仮称)大綱案」を公表した。大綱案は、試案の中で法律の整備が必要な部分について示したもの。

 「第三次試案」の厚労省内での位置付けを問われた足立政務官は、「そのまま成案になることはないと考えている」などと述べた。
 足立政務官は同案について、「当事者間の分断になってしまう可能性が極めて高い」と指摘。その上で、4月の診療報酬改定に伴い、電子請求を行っている医療機関に、レセプト並みの明細書の全患者への無料発行を原則義務化することについて、「医療を提供する側と受ける側の情報交換がかなり進むと思う」と述べ、情報量や理解度の格差を埋めていくことが大事だとの考えを示した。
 さらに、医療事故の死因究明などに関する検討のタイムスケジュールについては、「来年度中にしっかりした方向性を出していきたい」と述べた。





別ソース。





医療版「事故調」設置議論再開の可能性 法案の大綱案見直しへ   

産経ニュース 2010.2.24 01:16
http://sankei.jp.msn.com/life/body/100224/bdy1002240117001-n1.htm

 厚生労働省の足立信也政務官は23日、厚生労働省が平成20年に公表した医療事故の原因を究明する「医療版事故調査委員会(事故調)」設置法案の大綱案について「そのまま成案になるということはない。来年度中に方向性を出す」と述べ、見直しに着手する考えを示した。衆院予算委員会で民主党の岡本充功議員の質問に答えた。医療事故被害者らは早期の事故調設置を求めており、1年半以上ストップしていた議論再開の可能性が高まった。

 厚労省は20年6月、法案設置の大綱案を公表。医療事故で患者が死亡した場合、「医師のほか法律家など第三者を交えた事故調が遺体の解剖やカルテの精査などにより事実関係を調査する」などとした。

 しかし、

「標準的な医療行為から著しく逸脱した医療と認められる場合は警察に通知する」

という項目について、

刑事介入を嫌う医療界が反発

議論が停滞した。

 民主党も同時期、警察への届け出を事件性が疑われる場合などに限定し、各医療機関内に設置した院内事故調での原因究明を重視した対案を公表した。しかし、「院内事故調では透明性が担保できない」と批判の声が上がっていた。

 医療問題弁護団の鈴木利広代表は「国会に法案が出されていないことが議論が進まない原因。年間、数万人が医療事故死している。

各論はさておき、早く法案を提出すべきだ

と話している。








あたかも医療側が

いけないことのように書いておりますが、


>「標準的な医療行為から著しく逸脱した医療と認められる場合は警察に通知する」

>という項目について、

>刑事介入を嫌う医療界が反発




世界的にも医療事故で

刑事事件に発展するのは

まれであり、

つねにそのプレッシャーにさらされ

医療現場、担当医を奴隷のように扱う

医師の土下座法案は

認められません。





そもそも事故調は

航空業界などでやっているように

真実を求めるため、

どのような問題があったのか

当事者の責任を追求することなく

事故を検証していくものです。




しかし、

この案では医療事故があった場合、



1.関係者に事実関係を聞く

  ↓

2.事故調がまとめる

  ↓

3.まとめた報告書を警察に提出(←ここが問題)

  ↓

4.警察が刑事事件として取り上げる




という道筋になります。





つまりは医師の黙秘権を取り上げたまま、

刑事事件にするための資料を

自分でせっせと作ることになるわけです。





この法案が通った場合、

医療関係者、特に医師は

自分で自分に対する

有罪証拠を積み上げていきことになります。




免責がないのに

正直に答えるべきだ、

黙秘権は許さない、

なんてことはあまりに魔女裁判です。













>各論はさておき、早く法案を提出すべきだ

と主張するのは

まさに”各論”の部分で

とても美味しい思いができるわけです。



仮に

”医師に対する責任は一切追及しない”

なんて文言になったら、

たぶんこの人は

>各論はさておき、早く法案を提出すべきだ


なんてことは言わないでしょう。

各論の変更なんですけどね。









そして日本医療を土下座させる

このような法案が通ったら、

医療事故が起きるような現場で

一生懸命働いている医師ほど

”情報弱者”の烙印を押されることでしょう。





さらには

素人の感情論で、理屈なく

”「医師を必ず起訴」という新ルートが誕生” 

しておりますので(1)、

なんかわからないけど

病院で死んだら病院が悪い、

病院は必ず何か隠している、

という前提で起訴される素敵な環境が

整ってきております。







そこに医療事故調が

「自分たちはこんなミスをしております」

と警察に

赤裸々で自虐的な恥ずかしい日記を

提出するわけです。

しかも事故調では黙秘権は認められず、

通常、免責の事故調でも

医療事故調だけは刑事事件になる可能性が

大きいわけです。







プロが、こんなこと問題ではない、

ということが刑事事件になり、

さらに

自分で自分を埋める穴を掘るような

システムです。







救急で患者さんを助けたり、

人の生き死にがいつもあるような

一般病院で働くこと自体が

”医師としてかなりリスキーで間抜けな選択”

という時代がすぐそこまで来ています。




そういうシステムを

いま作ろうとしているわけです。











(1)
■【緊急記事】 「「医師を必ず起訴」という新ルートが誕生」 改正検察審査会法について
http://med2008.blog40.fc2.com/blog-entry-22.html

序文より

「検察の意向にかかわらず、医療事故が刑事裁判に発展する」――。2009年5月27日までに施行が予定されている改正検察審査会法では、検察官が不起訴とした事例でも、起訴・刑事裁判に至る仕組みが導入される。


































■”医師の黙秘権の剥奪” 「大野事件から三次試案を振り返る―医療制度研究会」

ネタ元は

耶馬苦痢陰弔さん
http://med2008.blog40.fc2.com/blog-entry-317.html#comment2121

です。

いつも大変お世話になっております。







>医師の黙秘権の剥奪



さて、


日本国憲法
第38条 何人も、自己に不利益な供述を強要されない。

2 強制、拷問若しくは脅迫による自白又は不当に長く抑留若しくは拘禁された後の自白は、これを証拠とすることができない。

3 何人も、自己に不利益な唯一の証拠が本人の自白である場合には、有罪とされ、又は刑罰を科せられない。

…。



やはり、厚労省によると、

医師は日本国憲法の

適応にならないようです(笑)。



やっぱりね、

道理で

労働基準法も

適応されないと思った(笑)。












大野事件から三次試案を振り返る―医療制度研究会

更新:2008/08/11 22:16   キャリアブレイン
http://news.cabrain.net/article/newsId/17603.html

 現場の医療者らが医療問題について考えるNPO「医療制度研究会」は8月9日に夏季研修会を開催。「大野病院事件から第三次試案大綱までを振り返る」をテーマに、産婦人科医やテレビ番組制作者、弁護士がそれぞれの立場から講演した。


【福島県立大野病院事件】
 福島県立大野病院事件は、2004年12月、帝王切開手術中の女性を、子宮に癒着した胎盤のはく離による大量出血で失血死させたとして、当時の産婦人科医長、K被告が業務上過失致死などの罪に問われて06年に逮捕・起訴された事件。今年8月20日に判決が言い渡される。公判では、出血後もはく離を続けた判断の妥当性などが争点となり、弁護側は加藤被告の無罪を主張している。現場の医師からは、「産婦人科医が一生に一度、遭遇するかしないかと言われるまれな症例で、医学的にみても治療に誤りはなかった」との声が上がっている。訴訟リスクを懸念する医師らが臨床現場を離れ、重症患者を引き受けなくなる委縮医療を招いているとの指摘もある。


■「大野病院事件が何を残した」

野村麻実・名古屋医療センター産婦人科医師

 野村氏は「産科医療崩壊の現場から―大野病院事件によって浮き彫りにされた問題点」と題して講演。事件発生から加藤被告が逮捕されるまでの流れとして、「医師法21条による(異状死の)届け出がされていない。遺族からの告訴がされていない」と指摘した。このため、死因究明制度の第三次試案や法案大綱案が、医師法21条の改正に着眼していることを「大きな誤解」とした。また、「業務上過失致死傷罪が(告訴されることが公訴の前提となる)親告罪でないために、警察が望めばいつでも介入できることも問題」と述べた。
 このほか、医療事故死などの捜査手法について、「業務上過失致死罪の逮捕基準があいまいで、自白偏重になっている。自白調書が欲しいために逮捕・拘置する『人質司法』と言われ、それも問題」と述べた。

 大野病院事件の争点整理として、

①胎盤と子宮の癒着を認識した時点で胎盤のはく離を中止すべきだったか(癒着部位やその程度、出血の程度や予見可能性、死亡との因果関係、クーパー(手術用ハサミ)を使用してはく離したことの妥当性)
②医師法21条違反に当たるか
③被告の供述の任意性

―を挙げた。このうち①に関して(「癒着部位やその程度」以外)は、「医師の裁量権の問題。その場で医師がどう判断し、どう対応するかは素人が考えて判決を出す問題ではない。それが争点の中心的な問題になっている。それを刑事で裁くことに問題がある」との見方を示した。

 野村氏は「刑事訴追の問題点は、個人を罰するという方法しかなく、検事が問題とする点についてのみ議論が続けられること」と指摘。大野病院事件でも、麻酔科などの問題は議論されていないと訴えた。また、裁判の場では遺族感情は慰撫(いぶ)されないと主張した上で、「医療と裁判は相性がよくない」と述べた。

 このほか、福島県内では事件後に13施設(休止予定も含む)が分娩の取り扱いをやめていることなどを説明し、事件の影響で県内の産科医療の崩壊が進みつつあると訴えた。


■「医療者を代表した声が発信される団体を」

真々田弘・日本電波ニュース社報道部

 救急医療に関するドキュメンタリー番組の制作などを手掛ける真々田氏は、「現場を見ることが取材に対する姿勢」と語った上で、これまでの活動を紹介した。
 真々田氏は、テレビ局のプロデューサーから、「医療がになってきたから取材してみないか」と声を掛けられたことをきっかけに、07年6月に6人の内科医が一斉退職した大阪府の病院を半年間取材した。取材の過程で、医師の不足や過重労働の問題などを理解した。真々田氏は、「(この病院の)事務長も状況を変えたいと思っていたが、医者を守るために救急外来を制限しようとしても住民や議会が敵に回った。毎年経営を改善しても、市からの繰越金が年々減っていた。
市長が怒鳴り込んで院長を叱る
声が患者にも聞こえてくる。これでは医療者も逃げてしまうと思った」と、取材の感想を述べた。

 真々田氏によると、取材を続けるうちに制作スタッフは医療者の現状を理解していった。視聴者目線ではなく、医療者側の立場で番組を作ろうと意識が変わり、テレビ局のスタッフも番組の放送直前になって「医療と裁判は相性が悪い」と理解した。
 当初は視聴者からの批判を懸念していたが、予想外に反応が良かったという。真々田氏は「きちんと伝えれば分かってくれるのだと思った。『こんなに医者が頑張っていると知らなかった。もっと伝えてほしい』との感想があった」と紹介した。
 
 真々田氏は、取材を続けるうちに感じた思いを、次のように語った。

 「5、6年前に比べ、潮目が変わっている。視聴者は『自分たちが医療を受けられなくなるかもしれない』と皮膚感覚で感じているから、こういう番組が受け入れられるようになってきた。医療者が発する言葉を視聴者が待っている。医療をどう守っていくかの提言を番組として出したが、困っている。取材をする中で、個々の医者が頑張っている姿しか見えず、医療者の集団が見えてこないからだ。日本医師会も学会も勤務医の声を代弁していない。誰の声を聞けばいいのか。集団としてのまとまりのなさに、ある種情けなさを感じる。日雇い派遣(の業界では、)制度を見直させている核となる人間の数は1000人いないかもしれないが、声を上げて政治を動かしている。26万いる医師たちは何をしてきたのかと思わざるを得ない。医療が悪くなっていることを伝えてこなかったわたしたちは『マスゴミ』と呼ばれても仕方がないと責任を痛感する。では医療者は何をしてきたか。現場で毎日が厳しくなり、医者が足りなくなっていると、医療界全体として発言してきたのか。医療を今後、どんなものにしてほしいか、医療界が知恵を集めて提言してきたことがあったか。

 4月12日の超党派議連のシンポジウムで、ある医師が『何をしてきたと言われたら、医者は医療をしていた』と言った。『うまいことを言う』と思ったが、一種の逃げ口上だ。マスコミがそう言われたら、『1日24時間、番組に穴を開けないために必死だった』と答えるのと一緒。しかし、それでは責任を果たせない。

 今がチャンス。メディアも変わりつつある。医師のつらく苦しい現場が開かれれば、わたしたちは入る。特に今は視聴者が求めているから発信できる。医療者は総意や知恵を集め、何らかのアクションを起こしてほしい。わたしたちはそれを支えていけると思っている」


■事故調は厚労省の権限を強化する

井上清成・井上法律弁護士事務所

 医療法務弁護士グループ代表や病院顧問などを務める井上氏は、死因究明制度について、第二次試案の段階から、「きれいな物言いで作られているが、法律家から見たら『裏』があると分かる。だが、医師には分からない。デメリットの部分が言われておらず、医療にかかわる法律家たちは指摘しないのかと頭にきた」と述べ、医療者が議論できる前提となる情報開示がなされていない点を問題視。その後公表された第三次試案についても、「責任追及」のスタンスが基本的に変わっていないと指摘。責任追及について、「例えば、民事で医療過誤の損害賠償請求がされたとする。ある医者の医療行為がおかしいと(患者が)訴えたが、見込み違いで、患者も正当な医療だと認めた。だが、医者が悪いという前提に立っているために、理屈が立たなくなっても『次はこれ(が悪い)』と出してくる。これが裁判や訴訟で、検察はどこまででもやるし、公訴を取り下げることもない」と述べた。

 法案大綱案について、民主党案と比較すると

▽医師法21条の拡大強化
▽医師の黙秘権の剥奪
▽行政処分権限の拡大強化
▽現行の業務過失致死罪の追認
▽医療の行為規範化

―などの問題が起こるとした。「(異状死を)届ければ行政処分がいっぱいできる。届け出なかったら医師法21条が働くと読むのが普通」と述べた上で、「届けない場合が事故隠しであることを前提に(厚労省は)構想を練っているのではないか。そのつもりだったら(通常の死亡は届け出ないと考える医療者と)話がかみ合わないので、下手をすると医師法21条の拡大強化につながる」と指摘した。また、「医師法21条は大した問題ではなく、本丸は刑事犯に処せられる業務上過失致死傷罪」として、医師法21条と、業務上過失致死傷罪を切り離して考えるよう促した。また、制度が出来上がってしまえば、業務上過失致死傷罪の適用を医療界が認めたと世間は受け止めるとの見方を示した。

 井上氏は、「病院長と勤務医の間にくさびを打ち込むのにちょうどよく、行政処分権限の拡大強化につながる。厚労省がうまくコントロールできるようになる」と述べ、新制度が創設された場合、厚労省が最も得をする
ことになるとの見方を示した。

 また、スウェーデンの無過失保障制度を視察した際に、「患者保険機構」のCEOを務める法律家から、「無過失保障制度を導入し、スウェーデンでは医療過誤訴訟を根絶やしにしたが、そんな制度を日本に導入しても弁護士は損するから意味がないのでは」と指摘されたと述べた。

 このほか、09年にスタートする産科の無過失補償制度と、死因究明制度の第三次試案について、「違いを見つけ出すのが難しいほど似ている」とも述べた。








だんだん、医療における

色々なことの裏が分かってきて、

正直、

日本という国のシステムに

うんざりしてきました。





結局は、

厚労省の権限拡大だけで、

何にも医療関係者には

今まで以上の

厳罰しかまっていない改革、

というのが本当のところでしょう。






こんなことをしていたら、

本当にお医者さん、

いなくなっちゃいますよ、

日本という国には(笑)。














■【こういう現場に誰がした】 ガス抜きで終わった日本医学会 「死因究明で議論錯綜―日本医学会」

医療安全調査委員会は

どうなるんでしょう?




お偉いさん方は、

日本医学会で「ガス抜き」をして

「総意として賛成」という

方向で行きそうです。






でもね、

実際に現場の意見を聞きましたか?

このまま厚労省の思いのまま進めば、

医療現場に人は残らなくなります。







死因究明で議論錯綜―日本医学会(上)

更新:2008/07/30 15:35   キャリアブレイン
http://www.cabrain.net/news/article/newsId/17406.html

 死因究明制度の「法案大綱案」に反対する学会を巻き込んで開かれた日本医学会による「診療関連死の死因究明制度創設に係る公開討論会」。「総意として賛成」の見解が既定との見方もあったが、いざふたを開けてみると、医療界の在り方そのものに対する意見から、業務上過失致死に対する法改正を求める意見、日本医師会の在り方を問う意見など、あらゆる意見が噴出。マイクを待って並ぶ人が出るほどで、議論は迷走を極めた。「氷の上を歩くような感覚で毎日診療している。一歩でも進めてほしい」と、現場の医師の声が上がる。今後、医療者と患者が共に求める中立的な第三者機関の設置に向け、医学界は総意をまとめることができるのだろうか。
 討論の内容を、3回連続で紹介する。(熊田梨恵)

 討論ではまず、死因究明制度の第三次試案をもとにした法案大綱案について、会場からいくつかの学会の意見発表があった。

■正当な業務への刑事責任追及は反対

【日本産科婦人科学会】岡井崇理事

 正当な業務の遂行として行った医療に対しては、結果のいかんを問わず、刑事責任を追及することには反対。この考えは現在も将来も変わらないと思う。しかしそれは、法律の改正を伴うことで、国民の理解を得るのに大変な年月を要する。我々はまだきちんと国民と対話していない。我々医療提供者と、国民の考え方の間にズレがある。理解してもらうには年月がかかるので、現状として非常に問題点が多い民事上の事故の取り扱いから早く改正する必要がある、という立場だ。(法案大綱案では)特に、『標準的な医療から著しく逸脱した医療』行為を警察に通知するというが、本当に悪質な事例に限られるのかが一番心配。その点の表現などの検討や、届ける対象を明確にするなど(の方法)もある。何とかこの機会にこの制度を成立させていただきたい。


■すべてを考え直す時期

【日本脳神経外科学会】嘉山孝正学術委員会委員長

日本産科婦人科学会と同じ意見だ。明治時代にできた刑法に、業務上過失致死の免責がないということが一番の問題。これには時間がかなりかかると思うので、当面どうするか。第二次、三次試案、法案大綱案と出てきたが、刑法に業務上過失の免責がないからといって、受け入れるのだろうか。われわれは社会のすべてについて、これをきっかけに考え直す時期では。患者のために、事実が(表面に)出る(医療事故)調査が大事。法案大綱案と第三次試案には反対だ。


■「○○省」は外局に

【日本小児外科学会】河原崎秀雄理事

当学会は、日本外科学会のサブスペシャリティのうちの一つであるため、基本的には同じ意見だが、大綱案には7つの問題点がある。ここでは3点を指摘する。一つ目は、「『○○省』に医療安全調査中央委員会を置く」とあるが、委員会の中立性と独立性が守られる設置形態にするためには、予算がかかるなど現実的には難しいかもしれないが、省内ではなく、外局に設置するのが望ましい。二つ目は、警察への通知について。『標準的な医療から著しく逸脱した医療』はいかようにも解釈できるので適切ではない。警察への通知は、『犯罪の可能性が高い』と委員会が判断したものに限定されるべき。医療事故死に該当するかの基準だが、臨床の現場ではこの基準がもっとも大事な判断基準になるので、早く公表してほしい。


■「改正」は語弊

【日本消化器外科学会】杉原健一理事

医療安全調査委員会(医療安全調)の独立性が明確にされていない。『標準的な医療から著しく逸脱した医療』の定義があいまい。医療事故に関する基準を、誰がどのようにしてつくるかが明確でない。遺族の警察への告訴に、どう対処するかが記載されていない。こういうシステムをつくるのは大事だが、これらの点を明らかにしてほしい。医師法21条を『改正』と法案大綱案に記載されているが、内容を見ると改正されていない。これを『改正』というのは語弊があるのでは。


■書面で意見を提出した学会

 高久史麿・日本医学会長が、各学会の意見を紹介した。

 一つは日本整形外科学会。「拙速な法制化には慎重であるべき。制度が責任追及の場を提供することになっては困る。民事、刑事、行政処分の場での責任追及に利用されないようにする、という言葉がない。また、『標準的な医療から著しく逸脱した医療』の判断基準の在り方に十分な議論が必要。法案大綱案には行政・司法的処分は詳細に規定しているが、本来の目的である再発防止について、(医療安全調)中央委員会の所掌義務とするにとどまり、具体的な方策などを先送りしている」

 日本臨床整形外科学会は、「基本的には賛成ではない。厚労省、日本医師会など関係各団体の再検討を要望する。黙秘権を認めるべき。検察、司法当局が謙抑的に対応するとしているが、刑事訴訟法に基づいて自由に提訴できるため、謙抑的な対応をするという文章を法案に組み込むべき、など」

 赤松クリニック。「調査結果が刑事手続きに用いられることを想定しているにもかかわらず、黙秘権が明確に担保されていない。これは刑法や憲法を凌駕するもの、など」


<意見交換>

 司会の門田守人・日本医学会臨床部会運営委員会委員長の、「問題点がたくさんあり、全部というわけにはいかないので、どうしても触れなければならないところから始める。医師法21条について、医療関連死が除外される方向を目指すことは、基本的にこれでよいか。『21条でいい』『現在の大綱案では除かれていない』という意見もあるが」との投げかけで議論がスタートした。


【医師法21条をどう考えるか】

堤晴彦・日本救急医学会理事 医師法21条については、届け出ると刑事訴追されることを恐れて問題になっているのだろうが、もっと重要なのは、何が刑事訴追されるかということ。道交法でも業務上過失致死罪が問われるものは、文章で明確に決められている。しかし、医療は決められていない。医療過誤においては法律を変えないといけないという議論があるが、現行の法律を変えなくても、医療事故のどの部分が業務上過失致死罪になるかということを法曹関係者が明記するだけでかなりの部分が改善する。その議論をした上で、21条に踏み込むべき。21条だけ何とかすればよいとは考えていない。法律関係者と十分議論すべき。

 関係者が警察に届けることを「ノー」と思っていない人はかなりいる。患者側も、医療事故が起きたとき、第三者機関よりも警察に届ける方がいいと思っている人もいる。個人の意見としてだが、どんどん警察に届ければよい。そうすれば警察はパンクし、自分たちが組織を何とかしないといけないという方向になる。そこまで持ち込んで、向こうが動き始めたらそれに乗ればいいだけ。今のままなら警察も検察も高みの見物だ。「やるならやってごらん、うちは使えるものは使いますよ」という態度で彼らはいくだろう。

 警察側が家族側にしっかり説明してくれて、紛争が収まることもある。現場の警察官は努力しているので、そこは評価しないといけない。しかし、医師にも一部変な医師がいるように、警察にも変な人はいる。そこをどうするかということ。

■「医療行為が犯罪」という基準が狂っている

本眞一・日本外科学会理事 (警察の)基準が犯罪になっている。医療行為を犯罪行為として見るかどうかという最初の点で狂っているので、医師法21条によって何が起こったかを把握しようと警察は思っている。最初にこういう判断をされるのはまずいので、われわれ専門家による専門的な判断で「悪いなら悪い、いいならいい」というほうがよいのでは。

堤氏 同感だ。警察・検察が、自分たちで法的判断を決めてから動くということが問題。高本先生が(医療安全調創設に)60-100億円掛かると言った。警察・検察の中に医療的判断を行う機関をつくり、そこにわれわれ医療者が乗れば、法的判断がなされる前に医療的判断がなされるものがつくられる。そういう単純な話なのだが。

嘉山氏 医師法21条は厚労省内部でのマニュアルに近いもの。ちょうど厚労省医療安全室長の佐原康之さんがここに来ている。医師法21条をどう変えるのか聞きたい。

佐原康之・厚労省医政局総務課医療安全推進室長 医師法21条については、異常死は警察に届け出るということにしている。勤務医は病院管理者に届けて報告することで、警察への届け出義務を解除するとした。報告を受けた病院管理者は、医療法によって医療安全調査委員会に届けるという義務がある。この場合には医師法21条のような刑罰ではなく、適切に行われなかった場合に行政処分で担保していくということを第三次試案で提案している。

■このままなら「大野事件」起こる

木下勝之・日本医師会常任理事 新しい考え方の基本は、医療事故が起こった時に、医療界の専門家が原因を究明して再発予防に努めるということ。業務上過失致死傷罪になるかどうかの論点だけではない。警察に調査判断を任せていいのか。医療界が責任を持ってやろうという仕組みだから、第一歩として、我々の目を通した上で(警察に)届けた方がいい。このままならば、「福島県立大野病院事件」のようなことも起こり得る。これは大きな問題。まずは医療界が真剣に対応し、事実究明しようということがあった上で、遺族や国民も認める。その仕組みをつくろうというのが考え方の基本だと理解してほしい。

永井良三・日本内科学会理事長 医師法21条による届け出で警察がパンクするというのも一つの手。しかし、そこで起こるのが、的外れな鑑定書が出てしまうということ。誰が見ても医学的に正当な鑑定書であれば問題ないが、的外れな鑑定書が出たら、警察はそれによって動く。それをいかに防止するか。その意味では、よほどの犯罪でない限り、届けるなら警察は介さない方がいい。そのことと、業務上過失を問われることは、刑法改正の話になって難しい。われわれが、刑法の改正を待たずにこの何年かの間、警察が介入しないようにどう動くかという問題だ。

堤氏 誤解があるようなだが、木下先生の言うことはその通りと思う。21条を改正しなくてよいとは思っていない。ただ、医療行為の中の何が業務上過失傷害罪になるのかの議論を先にしてほしいということ。道交法ではっきり定められているのだから、医療行為の何が業務上過失に当たるかは法律変えなくても明文化できると、全く疑問を持たずに思っている。刑法学者も同じことを述べている。法律側と医療側がきっちりするべき。木下先生と高本先生が(法務省などとの話し合いを)別なところでやったというが、それは密室の議論なのでまずいと思う。警察も検察もメンバーに入れてきっちりした議論をすべきだ。







死因究明で議論錯綜―日本医学会(中)

更新:2008/07/31 17:08   キャリアブレイン
http://www.cabrain.net/news/article/newsId/17446.html

 医師法21条の在り方を問う議論を皮切りに、迷走を始めた日本医学会による「診療関連死の死因究明制度創設に係る公開討論会」。医師の自浄作用を発揮しなければ国民の理解は得られないとする意見や、日本医師会の在り方を問う意見が出た上に、弁護士同士の刑事司法論までが繰り広げられた。(熊田梨恵)

【医師の自浄作用の発揮を】

嘉山氏 厚労省が医師法21条の内容について、カルテの改ざんや隠ぺいなどの(悪質な内容に限り警察に届けると)規定すれば混乱しない。医療界は以前より自浄作用が働いているのだから、これだけ問題点が指摘されているもの(医療安全調査委員会)をつくるのはどうか。実行可能性の問題として、ただでさえ医師不足なのに、東京・大阪(など大都市)ならできるかもしれないが、地方は無理。日本医療機能評価機構の医療事故情報収集等事業を使えばいい。このまま医療安全調の設立に突っ走れば、現場が混乱して医療崩壊が加速する。

森田茂穂・帝京大医学部麻酔科教授 医師法21条は明治時代からある。治安維持や変死体の報告に必要なものと解釈している。今の医師法21条は、医療界が勝手に拡大解釈してしまったのが始まり。医療界に一番欠けているのは、職能団体としての自律作用がないこと。そのため、患者や国民からの信頼を失った。先進国を見ても、米国のAMA、ドイツ、フランス、英国、カナダなど、政府から独立した機関で自律作用を持ち、(医師の)処分を実施している。そういった国民に信頼される医療者団体がないのが問題。

 医師法21条についても、警察は警察なりに治安維持の役割がある。そこに我々が一国民として協力してもよい。「警察だから全部嫌」ではなく、同じテーブルで議論するよいチャンス。皆がこの問題に関心を持つようになったのだから、将来どうあるべきかという目標達成のため、今何ができるかを考えるべきだ。法案を通したらいい・悪いではない。そんな法案ができても元の目標が間違っていれば、現在抱えている問題は解決しない。

 民主党はすでに意見を出しており、(法案大綱案との比較の)アンケートでは民主党案の方に賛成が多い。そこに(今回のシンポジウムは)何も触れていない。そういう意味で、国民的な論議になっていないのが問題だ。

■民主案の議論も残っている

高久氏 その意見に賛成。将来的には医者の集団として、自律的な処分制度をつくっていく必要がある。日本医学会が日本医師会や病院団体などと協力してつくりたい。民主党案もこの(シンポジウムの)中で取り上げるべきという意見がずいぶんあったが、厚労省が今までやってきた法案大綱案について議論しようということになった。個人的にも議論した方がいいと思ったが、時間的制限や(議論の)ターゲットを絞ったので、民主党案のことはあえて議論しなかった。法案大綱案が法律になるときは国会にかけるが、その中で厚労省案と民主党案がどうなるか。近い将来の問題として当然残されている。国会議員の先生もそう考えていると思う。


【こういう現場に誰がした】

本田宏・埼玉県済生会栗橋病院副院長 若手代表として来たので質問したい。日本の医療界は今までまとまっておらず、医師数も医療費も世界最低レベルで、学会は臨床より論文。現場の医療者が事故を起こさないような環境にするために努力してきたのか。そういうことを一切放置し、すべて(医療安全調に)届けると言っていることが、空気が読めない「KY」だ。(医療安全調創設に)賛成している人は、若い人に今の急性期で働けと言うのか。若い人がいなくなり、日本の医療が崩壊したら救急医療を代わってやってくれるのか。

 われわれ若手は危ない中、少ない人数で歯を食いしばってやっている。わたしも午前中に手術をし、食事もせずにここにやってきた。若手に夢がない環境をつくったら、グローバルスタンダードの3つ目の過ちを犯す。
一つは医師不足、
二つ目に低医療費、
三つ目は、世界に類がない、刑事罰に結び付く医療事故調査委員会だ。


もういい加減にやめてほしい。若い人はとっくに嫌になっている。

山口徹・日本医学会臨床部会運営委員会作業部会長 今の論議に直接かかわる議論をしてほしい。

本田氏 この基本が抜けているから「KY」と言っている。これではお上がやっていることと同じ。全体的なことを決めてから、個々を決めないと現場は崩壊すると、現場は皆感じている。

門田氏 そういうことを議論する場ではない。


【日本医師会は郡市医師会を見ていない】

原晶・諫早医師会長 郡市医師会を代表してとは言わないが、木下勝之先生(日医常任理事)に聞きたい。日医は、この法案に(会員の)おおかた7割が賛成と言った。しかし、たった一回のアンケートが根拠で、それに答えたのは常任委員の一部だけ。郡市医師会まで話が来ていない。「開業医の代表の日医」とひとくくりにされるが、開業医の意見さえ一つも聞いていない。(諫早医師会は)日医、長崎県医師会、厚労省にもパブコメを何度も出した。出した揚げ句にいつも「賛成」したことにされてしまう。アンケートを取る気がないならば、わたしが郡市医師会に対し、地べたの医師会員として、問いたい。回答数がどれぐらいあるかは分からないが、日医が各県の常任理事にちょっと聞いて「7割賛成」と言うよりもしっかりした意見になる。各郡市医師会の先生方、諫早医師会からアンケートを回すので、よろしくお願いしたい。

木下氏 これは医師会の問題ではない。勤務医であれ開業医であれ、医療界にとっての問題。現状で医師法21条がある以上、このまま動く。少なくとも何か起こった場合、刑事訴追という不本意なことにならないようにという視点でやっている。医療費などの議論もあるが、これが喫緊の課題。意見がまとまらないならこの問題は続く。(それを避けるため)一歩進めるという視点できた。諫早医師会の先生のように抽象論ではなく、「具体的にここが心配」という質問をいただきたい。(そのような討論は)ここは場が違うからほかのところでお願いする。


■壇上に現場の勤務医がいない

西澤寛俊・全日本病院協会長 今回のシンポジウムには、医師会、医学会、病院団体など、限られた大きな団体しかいない。言っていいかどうか分からないが、このシンポジウムを受けた時に、どうも参加者が偏っていると思った。現場の管理者の医師、つまり勤務医の代表を入れてほしいと言ったが断られた。やはりそういう方々の議論が足りない。本田先生が言ったように、一番困っているのは現場の救急や急性期の勤務医。その声を一番大事にし、それを聞いて合意の上で作り上げるべき。あまり拙速にやると、よかれと思ってしたことでも、ますます医療崩壊が進んでとんでもないことになる。そこを考えてもう一回議論し直すべきだ。


【刑事司法の問題は】

会場の医師 業務上過失致死傷罪の改正が必要。業務上過失致死傷罪は死の可能性を予見できたという「予見可能性」と、論理的・事後的に死亡が回避可能だったという「回避可能性」という二つがあれば、犯罪として成立する。起訴されないというのは単に検察の情状。(可能性が)ゼロでなければ犯罪は成立しており、あとはすべて情状だ。なぜ起訴されるかと言っていたが、すべて検察に委ねられている。検察は法の番人で、法があると動かねばならない。法律がある限り、死の危険がある医療は常に犯罪と紙一重。誰でも「あの時ああすれば良かった」ということがあるが、それが犯罪ということで、単に情状で猶予されているだけだ。これで救急や外科医療をするのは無理。法の中に、「医療行為に関しては特に事実の当否に関して問題があるような業務過失に関しては免責される」という条文を入れる必要がある。死と隣り合わせの医療は、常に犯罪と紙一重だ。

鈴木利廣弁護士 今の意見は解釈が誤っている。「予見可能性」と「結果回避可能性」があれば犯罪になるというが、そんな法律はない。結果の「予見可能性」と「回避可能性」があり、その上で、法規範として「ねばならない」とういことがあって、初めて義務違反になる。その「ねばならない」とは、医学会がどういうスタンダードをつくるかということ。それが「標準逸脱」という考え方。標準逸脱の範囲がはっきりしないなら無罪で、起訴されない。標準的なものがあり、それをしなければいけないと医学会が言っており、命を守ることが可能なのにしなかっただけでなく、「しなければならない」のに「しない」というときに法規範が適用される。だから今の意見は刑事法の論理として間違っている。

 また、報告義務との関係で刑事免責と言うが、無罪とか起訴されないとかの問題ではなく、「報告されたことが有罪判決の資料に使われない」ということを刑事免責という。世界中が医療過誤について刑事免責しているかのような議論は間違っている。

■スタンダードあっても不当な逮捕ある

木ノ元直樹弁護士 今の鈴木先生の意見で、根本的に医療者が解決できない問題は、スタンダードをいくらつくっても大野事件のような不当な逮捕・起訴があるという現実。そこをどうするかの答えが出ていないのに、法律がこうだといくら言ってもしょうがない。

鈴木氏 それは医療事故だけではなく、刑事司法全体の問題で、別の問題。刑事司法が誰から見ても公正にならない限りは、医療事故に対する刑事司法を運用してはならないというのと同じ論理だ。

木ノ元氏 大野事件の逮捕は、(逮捕した警察官に)特別公務員職権濫用罪が成立することが問題だ。

鈴木氏 わたしもあの逮捕はおかしいと言っていた。逮捕がおかしいのは医療過誤だけではない。

木ノ元氏 そういう議論があまりにも出てきていない。鈴木先生自身が言っていない。

門田氏 法律の話はちょっと置かせてください。





死因究明で議論錯綜―日本医学会(下)


更新:2008/08/01 10:12   キャリアブレイン
http://www.cabrain.net/news/article/newsId/17454.html


 迷走を極めた日本医学会の「診療関連死の死因究明制度創設に係る公開討論会」。会場を交えた討論では、学会代表の意見表明に始まり、医師法21条、医師の自浄作用、日本医師会の在り方、弁護士による刑事司法論など、あらゆる議論が噴出。司会の門田氏にはもはや意見をまとめようとする様子はみられず、マイクの前に続々と現れる参加者を順に発言の機会を与えていった。このうち、医療安全調の創設に関しては、「一歩でも進めてほしい」と早期の創設を求める意見と、時期尚早で「まだ議論が足りない」とする意見が交錯した。(熊田梨恵)


■早期の制度創設を

大分県の産婦人科開業医 来月20日、「大野事件」は判決公判を迎える。我々の仲間が正当な業務の遂行中に、手錠をかけられて腰縄を打たれ、逮捕・拘留・起訴された、非常にショックな出来事だ。救急などほかの科の先生も同じ思いだろう。逮捕以来多くの抗議声明文を出して頂き、産婦人科医として心強く思った。

 しかし、現在も同じような事件が起こらないという保証は全くない。法律も制度も何も変わっていない。この議論があと何年続くのか。仲間は同じような危機にさらされ、明日逮捕されるかもしれない。それなりに素晴らしい夢と理想を持って働こうしている若い後輩に、こんな状況を引き継でいいのか。こういうことが起こらない制度を早く作ってほしい。細かい議論はあるだろうが、(制度は)5年で見直すというし、それぐらいの時間の余裕はある。大きな医学会や関連学会は、「基本的に賛成」と言い、「反対」ということころも「基本的には賛成」と言っている。

 今日の状況を惹起したのはわれわれ医療界が社会からの信頼を失ったことがベースにあるし、これを取り戻すには時間がかかる。しかし、当面の活動ができる環境整備はできるだけ早くしてほしい。国会は解散の政局がらみで、機能不全に陥っている状況で、法案を通すのは大変。当事者のわれわれ医師が中でごちゃごちゃ割れていては法案は通らない。産科婦人科学会員は、30歳未満の女性が73%いて、40歳未満でも女性が約50%。今後、周産期にかかわる医師の6-7割は女医になるだろう。ただでさえ医師不足の中、さらに頑張れと後輩に言えない。臨時国会にでも出し、できるだけ早くこの法案を通してほしい。一開業産婦人科医の希望だ。

石川県の産婦人科開業医 毎日の診療が氷の上を歩いているような形。いろんな意見があるのは分かるが、患者のためになるよう、一歩でも進めてほしい。

■院内事故調査による医療安全確立を

中澤堅次・済生会宇都宮病院院長 一番の問題は医療安全。わたしたちは院内事故調査に重きを置きたい。院内調査は問題点もはっきりする一番よい方法で、必死にやれば患者にほとんどのことを分かってもらえるし、一対一で向き合える。第三次試案(による死因究明制度が)が(現場に)入ると、院内調査以外にもう一つのスタンダードが入る。医療の事故が起きた時、問題になるのは患者と病院・主治医の関係。スタンダードをどこに引くかが問題だが、申し訳ないが、医師会や学会にはスタンダードは引けない。医療側が必死に考え、ここにポイントがあるという学会の意見があればスタンダードになる。(医療安全調の委員は)どこで選ばれ、資格はあるのか。(業務の)委託もあるところにスタンダードを決められてしまうのか。医療安全に関してわたしたちができることはなくなる。

 患者が納得するもの(医療安全調)ができることには反対しないが、試案にはさまざまな欠陥がある。黙秘権を認めるとしても、「黙秘権があるから正直なこと言わなくていいので、調査に協力してくれ」と言ったら、院内調査は全く意味がなくなる。そのように構築される医療安全には全く意味がない。患者の信頼には絶対に結び付かない。先ほどの意見は理解できるが、このまま法案を通せばますます悪くなる。納得するまで議論をお願いしたい。

■慢性期の医師にダメージ

会場の医師 30年ほど精神科医をしている。法案大綱案は、急性期や周産期などは緻密に議論しているが、慢性期や終末期、精神科医療にはとてつもないダメージになる。これまでに400人分ぐらいのかかりつけ医の意見書を書いているが、ほとんどが訴えのない腎不全や心不全など多臓器不全状態。そのような方が亡くなったら、ほとんどが原因不明だから(医療安全調に)届けるしかない。認知症の医療などは崩壊するだろう。

 大病院に送ろうと考えても、専門の先生に受けてもらえないので転院できない。そうすると、家族と相談して低レベルの医療をする。それは「標準的な医療から著しく逸脱した医療」で、家族は訳も分からずサインし、患者が亡くなる。これでは、一番にわたしが(警察に)連れていかれる。

 若い先生にこれ(死因究明制度)を残すのはとんでもない。家族が納得し「低レベルな医療をしていい」とならなければ、自宅でみとることはできなくなる。(医療安全調の)地方委員会から見たら、田舎の赤ひげ先生なんてとんでもない医療。慢性期の患者が溢れる社会になることを考えなければならない。

■ビジョンがない

会場の医師 とてもいい討論だが発散しているだけで、まとまらない。この議論には、二つの視点が欠けている。一つはビジョン。この法案が通った後でどういう世界が見えるかというビジョンがバラバラなので、細かい問題や意見の相違が起こる。二つ目は、この議論は学会ベースで積み上がってきたが、本来はボトムのレベルの医師全員が参加できる団体で議論すべきということ。その上で、大きなビジョンをつくれば、法曹界などを入れるのかという議論ができる。今は混とんとしているが、喫緊にビジョンと議論のステージを決めていかなければいけない。

会場の医師 法成立後、これからの日本の医療がどうなるかということに尽きる。(医療の刑事)免責がない中で、警察機関的な組織ができれば委縮医療は避けられない。だが、刑法を変えるには非常に時間がかかる。しかし、それにチャンレンジしないということはあり得ない。だからまずは、国民の信頼を得るための医療安全を推進すべきで、これが王道。国民の信頼を勝ち得る中で医療免責という構図が完成するというビジョンをもとに、議論すべき。


【討論終了】

門田氏 私がこれまで参加した医学会関係のシンポジウムで、これほど意見が錯綜(さくそう)し、活発になったものはなかった。医学会などが一つのことで立場を超えて意見交換することが過去にあっただろうか。医療界が問題を抱えていることは皆知っている。戦後60年間かかって医師会や医学会がここまで来たということを反省しなければならない。

 司会のわたしと山口氏は日本医学会の臨床部会で(この問題を)仕切り直し、分科会の枠を超えてディスカッションするという新たな動きの中でやってきた。発言したいことはいろいろあるだろうが一歩前に進まないといけない。医師が足りないと25年間言い続けた腰の重い厚労省もここまで来ている。ここで団結し、一体となって方向性を探る努力をしないといけない。問題がある中でどうしていくか。また(日本医学会)臨床部会運営委員会を開き、医学会として意見を集め、いいものをつくりたいと思っている。

                      ■     ■     ■

 日本医学会は7月31日、死因究明制度について検討している臨床部会を開き、討論会が終了したことを報告した。会合終了後、事務局はキャリアブレインに対し、「引き続きこの問題について検討はしていくが、よほどのことがなければあらためて見解を出すなどの動きはないと思う」と話した。門田氏は討論会の最後に、各学会の意見を聞いていく姿勢を示したものの、同学会が6月5日に出した、「加盟105学会に対して意見を聞いた結果、第三次試案の基本的な方向性について賛成であることで一致」とする見解は今後も変わらないとみられる。

 今回の討論会開催前には、日本医学会が「反対派」の学会を抑え込んで「総意として賛成」との結論を出そうとしていたとの噂も飛び交った。その噂に対し、議論を混乱させる目的で「乱入者」が送り込まれたとの見方もある。結局はガス抜きのような形で終わった今回の討論会だが、今年秋に予定されている臨時国会もあり、高久学会長が指摘する民主党案についての議論も残る。現場の医師たちの「医師たちがまとまった意見を出せないままでは何も変わらない」「氷を踏むような思いで診療している」との声に、医学界は今後、どのような答えを出していくのだろうか。







>事務局はキャリアブレインに対し、「引き続きこの問題について検討はしていくが、よほどのことがなければあらためて見解を出すなどの動きはないと思う」と話した。






ようはアリバイ作り、

なんですね。






いっぱいアリバイを作って、

いっぱい責任分散させて、

だれも責任を取らず、

だれもビジョンを作らず、

医療はどんなふうに崩壊するでしょう?





医療安全調査委員会ができて

なにが良くなるのでしょう?









私には正直わかりません。

だれか、教えてください(笑)。




















■空いた口がふさがらない 「懲役刑あります」 医療安全調査委員会 「医療死亡事故:24時間内、届け出義務 命令違反に懲役刑も--安全調査委設置大綱案」

こんなことを

決める厚労省の

気が知れません。



いや、

厚労省としては

権利拡大を狙って、

あわよくば

後期高齢者医療制度と

ともに

廃止される社保庁職員の

就職先を

確保しようとしているのかもしれません(1)。








医療死亡事故:24時間内、届け出義務 命令違反に懲役刑も--安全調査委設置大綱案

毎日新聞 2008年6月13日 東京夕刊
http://mainichi.jp/select/science/archive/news/2008/06/13/20080613dde007040042000c.html

 厚生労働省は13日、医療死亡事故の死因を究明する第三者機関「医療安全調査委員会」について、医療機関に24時間以内の届け出義務と違反した場合の罰則を盛り込んだ設置法案の大綱案を公表した。今国会への法案提出は見送り、臨時国会での成立を目指す。医療界の一部が「医師の刑事訴追に利用される」と反発しているのを受け、条文に「調査は犯罪捜査のためではない」と明記するとした。

 医療安全調査委は、警察に先行して医療ミスが疑われる死亡事故を調査・分析する行政機関で、法施行から3年以内の運用開始を見込む。委員会は厚労省に設置する前提だったが、医療界から反対論も出たため、大綱案では所管省庁を特定しなかった。

 大綱案は、調査委への届け出範囲を

(1)医療ミスに起因する死亡
(2)医療に起因する予期しない死亡

--とし、学術団体が主体となって基準を作ると規定。届け出義務に違反した場合、ただちに罰則は科さず行政処分とするが、是正命令に従わなければ6月以下の懲役か30万円以下の罰金を科すとした。

 刑事処分については、調査委が警察へ通報する対象を「故意や隠ぺい、標準的な医療から著しく逸脱した行為」と定義した。医師法の改正により警察への届け出義務を免除することで、捜査当局の介入が限定的になるよう配慮した。【清水健二】





厚労省の基本方針は、

医療安全調査委員会が

「安全を調査するのにムチを持って報告させる」

ことが分かりました。






そして、

そこにはぽっかり「刑事処分」の口が

空いているわけです。







言わないと懲役。

言ったら刑事事件。



自分の不利益のために存在する

黙秘権はどこに行ったんでしょうね?

厚労省さん?













これは各種事故調が

「免責を基本とし、

事故における真実を究明し

同じ過ちを

繰り返さないようにフィードバックする」

とはあまりに異なります。




この制度は、

現場の医師に”拷問”をかけ、

国民には

「これだけ国は医師に厳しく処分していますよ。

医師だけは労基法も適応してませんし、

黙秘権も認めてません。

何かあったらすぐ訴えてください」

と言っているようです。









医師はどこまでも

悪人として扱った方が

国としては都合がよい、

という事なのでしょう。












封神演義(2)で妲己が

炮烙で忠臣を焼き殺したのが

なぜか思い出される中間管理職でした…。









(1)
■週刊ポスト  <怒りの追求スクープ>さらに340億円の税金が消える 「後期高齢者医療制度」で厚労省が新・天下りポスト(1300人)を作っていた! (04/26)
http://med2008.blog40.fc2.com/blog-entry-101.html


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■新たな展開 「超党派私案に遺族が賛同―死因究明制度」

ここに来て医療安全調査委員会、

死因救命制度に

新たな展開がありました。






第三次試案に反対しているのは

ごく一部(1)???


>ある団体代表者は
>「第3次試案に反対しているのは、一部のインターネット好きな医師だけ」
>などと批判を繰り広げ、賛否の分かれる医療界をけん制した。






そうは思いません。

あれほど不完全な案を使って

医療安全調査委員会が

設置されると医療は崩壊してしまうでしょう。











超党派私案に遺族が賛同―死因究明制度

更新:2008/05/27 01:18 キャリアブレイン

http://www.cabrain.net/news/article/newsId/16239.html;jsessionid=2F03D361BB0C556E23D7C1EDEE34C20C

 超党派の「医療現場の危機打開と再建をめざす国会議員連盟」幹事長の鈴木寛参院議員は5月25日、東京都内で講演し、厚生労働省が創設を検討している、「医療安全調査委員会」(医療安全調、仮称)設置を柱とする死因究明制度について、同議連から今後提出する対案の私案を示した。医療安全調の中央委員会を内閣府に設置し、死亡診断書や死体検案書などの発行ができた場合は、医師法21条に基づく警察への届け出を不要とするなどの内容だ。これに対し、都立広尾病院の医療事故の遺族、永井裕之さん(「医療の良心を守る市民の会」代表)は、「良い案だと思うので応援したい。(私案を)もっと公開して議論していくべき」と、賛同する考えを表明。これまで第三次試案について「患者側から賛同を得ている」との見方を示してきた厚労省は、厳しい対応を迫られそうだ。(熊田梨恵)


 鈴木議員は、患者と医療者双方の要望について、「

患者側は、納得がいくまで病院内や第三者機関で真相を究明してほしい。
医療側は、刑事当局の医療現場への介入のルールを明確にしてほしい。

患者側は行き場がないから、やむを得ず警察に行っているだけで、医療者の逮捕や立件を望んでいるのではないのだから、両者に対立点はない」

と説明。その上で、
厚労省の第三次試案について、「医療者と患者は良いパートナーであるべきなのに、対立構造をわざわざ引き起こした」
と、政策立案の手法が間違っていたと指摘した。解決すべき問題としては、

▽正義ある公正な解決のために、真実・原因を究明するための患者・遺族と医療者側の適切な対話
▽再発防止
▽委縮医療

-を挙げ、「これらは予算や政治的決着の話ではないので、痛み分けというやり方で済む問題ではない」と述べた。

 その上で、解決策としての最も重要なのは「医師数、医療費の増と臨床医師の離職防止」とした。死因究明制度については、医師法21条に関連する罪刑法定主義と刑法構成要件論を理解した上での制度設計になっていないことが問題とした上で、「医師法21条の構成要件が、主観的判断に基づいているのが最大の問題であるため、客観的構成要件に修正する。死亡診断書の発行が客観的行為となるので、それをもって届け出る・出ないのメルクマールにすることが政策技術上必要。現在は死亡診断や死体検案がずさんなため、的確な死亡診断をしなければならない」と強調した。
 現在の医師法21条に基づく異状死の届け出が、死体か妊娠4か月以上の死産児を検案した医師の主観的な判断によるものであることから、客観性を持たせるために、医療機関内の死亡事例については、病理解剖や死亡時画像診断(Ai)を活用して的確な死亡診断を行うようにするとした。医師は治療中の患者の死亡や、死因が診療にかかわる事故であるときは死亡診断書を、かかわらないものであれば死体検案書を、死産児の場合は死産証書を作成する。医師法21条に基づく届け出は、死体や死産児に異状があり、これらの書類を作成できない場合に限定した。このため、刑法160条の虚偽診断書作成罪を厳罰化するとした。

 また、医療安全調の目的を医学的な原因究明とすることで、原因究明と再発防止をそれぞれ別の組織が担うとする部分で、「原因究明、再発防止、医療安全の確保」というそれぞれの目的をすべて医療安全調が担うとする厚労省の医療安全調設置法案の原案と一線を画している。さらに、日本医療機能評価機構が実施している医療事故情報収集制度を強化し、全例を届け出にしてデータを収集・分析することで、再発防止や医療安全の確保に役立てるとした。

 設置場所については、内閣府に中央委員会を置き、都道府県ごとに地方委員会を置くとした。地方委員会の調査チームが医療事故の調査報告書を作成する。中央委員会を内閣府に置くことで、厚労省の行政処分手続きとは切り離すとした。このため、遺族からの申し立てがあれば、調査報告書は刑事・民事訴訟の手続きに利用することができるが、行政処分には使えない。鈴木議員は「患者遺族の刑事告発権、賠償請求権はみじんも縛ってはいけない。罪刑法定主義の観点から、そもそも明確な立法でなければそれはできないし、そのような立法はすべきでない。また、業務上過失致死罪からの医療行為免除は、現段階では時期尚早」と述べ、刑事免責については今後十分な議論が必要とした。

 医療安全調の地方委員会に届け出る医療事故の対象は、医療従事者や患者・家族が調査を望んだ事故とし、患者や家族、医療従事者から申し出ることができるとした。患者や家族は、調査報告書に納得がいかなければ、何度でも他の都道府県の地方委員会に申し立てることができ、質問も可能だ。解剖については、厚労省の原案は遺族の確認が取れない場合は医療安全調の判断で可能としているが、私案は遺族の承諾を求めている。また、病院内に原因究明委員会を設置し、患者や家族を支援するための仲介役の設置を制度化するとした。

■「患者・家族に配慮した良い案」

 講演終了後、聴講者が鈴木議員を囲み、死因究明制度や医療安全調に対する考えを約30分間にわたって質問した。この中で、1999年に都立広尾病院で起きた医療事故の遺族で、「医療の良心を守る市民の会」代表の永井裕之さんは、「患者や家族側に配慮されていて、いい案だと思うので、もっと公開して議論してほしい。ぜひ頑張っていってください」と鈴木議員を激励した。

 永井さんはキャリアブレインの取材に対し、「厚労省の第三次試案は、調査報告書が刑事や民事訴訟に使える部分などが残っており、医療者からは反対も出ると思う。鈴木議員の案は、遺族が求めるものから大きくぶれてはいないし、あれで進めてくれるなら、彼に預けてやっていってほしいと思う。前に進んでいくことが必要なのだから、こうしていろいろな案が出てきて、さまざまに議論が深められて、よりいいものになっていく、そういう段階に来ているのでは」と語り、私案によって充実した制度になることへの期待感を表明した。

■解剖への遺族の承諾で、厚労省案と相違

 厚労省が制定を目指している「医療安全調査委員会設置法」の原案では、地方委員会は医療事故調査を行うために必要であると認めたときに遺族の承諾を受けた上で、死体や死胎の解剖が可能としている。しかし、「死因を明らかにするため解剖を行う必要があり、かつ、その遺族等の所在が不明であり、または遺族が遠隔の地に居住する等の理由により、遺族等の諾否が判明するのを待っていてはその解剖の目的がほとんど達せられないことが明らかであるときは、遺族等の承諾を得ることを要しない」とした。一方、鈴木議員の私案はあくまでも遺族の承諾を前提としている。永井さんは「これ(遺族の承諾なしの解剖)はやってはならないこと。遺族の気持ちとして納得がいかない」と述べた。

                     ■  ■  ■

 厚労省はこれまで、第三次試案には患者側や学会などからも賛同を得ているとの見方を示していた。しかし、医療安全調の設置を強く求め、第三次試案に賛同していた遺族側が、現行の医師法21条の構成要件のあいまいさを是正することで、不当な刑事介入や立件を防ぐとする鈴木議員の私案に賛意を示した。医療系学会でも、日本医学会で近く各学会の意見を取りまとめようとする動きが見られ、舛添要一厚労相も与野党すべてが合意する案を求めている。鈴木議員は「最大の犠牲者は患者。第二の犠牲者はハイリスク症例担当医」と講演の最後を締めくくった。永井さんは「遺族が納得のいく制度にしてほしい」と、さまざまな意見による議論の深まりを期待している。死因究明制度の創設に向け、状況は刻一刻と変わりつつある。






記事内容からすると、

議論するに値するのですが、

如何せん、

全容がつかめません…。





ただ、

厚労省の第三次試案が

全く使えない物

で、このまま突き進めば

医療崩壊は必至です。





医療側も良い案を

検討するのはやぶさかではありません。

単に

行政はメンツや根回しを

重んじているのかもしれませんが、

結局、被害を受けるのは現場の人間です。






第三次試案を超える案がなければ、

日本から医療は無くなってしまうでしょう。








(1)
2周年おめでとうございます!
今後ともよろしくお願いいたします。

東京日和@元勤務医の日々
2周年記念企画&第三次試案をめぐって・・・☆

より引用させていただいております。

http://skyteam.iza.ne.jp/blog/entry/586379/

>この中で、ある団体代表者は「第3次試案に反対しているのは、一部のインターネット好きな医師だけ」などと批判を繰り広げ、賛否の分かれる医療界をけん制した。


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フルコースをこなしたため貧乏から抜け出せず。
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大学から地域(僻地ともいう)の救急医療で疲弊しました。
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田舎で開業、借金は天文学的数字に。


今は田舎で開業して院長になりました。
でも、教授に内緒で開業準備していたころのハンドルネーム”中間管理職”のままでブログを運営してます。

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