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■開業つれづれ:またドミノが倒れた「全常勤医、退職へ 救急態勢に影響も」島根

またドミノが倒れました。

ここは

>1日平均で32・1人

なんてバカみたいに急患が来るところのようです。

外科医2人でできるなんて

よほどひどい酷使をされていたに違いありません。





あまり想像がつかない人のために、

平均で32人、毎日急患が来るとしたら、

60人以上の患者さんが来る日もあって、

20人ぐらいなら

今日は少なめだったね、ということです。





自分の仕事が終わってから、

60件のクレームが入ると思ってもいいです。

それも一晩中。

全部が生き死にがかかっているかもしれません。






救いだされた

外科医2名と整形外科医4名の

幸せを祈らずにはいられません。









全常勤医、退職へ 救急態勢に影響も


asahi.com 2010年01月26日

http://mytown.asahi.com/shimane/news.php?k_id=33000001001260003


◆大田市立病院外科・整形外科/広大・島大 派遣終了◆


 大田市立病院(339床)の常勤の外科医全員(2人)と整形外科医全員(4人)が3月末にも退職

する見通しとなった。竹腰創一市長が25日、記者会見で明らかにした。市は県や人材紹介会社を通じて後任を探しているがめどは立っておらず、一部の救急患者の受け入れができなくなる可能性がある。(中村正夫)


 市立病院の常勤医は現在、外科系15、内科系12の計27人。市によると、

外科医3人を派遣していた広島大

が、医師不足を背景に昨年9月末に1人の派遣を終了し、今年3月にも残る2人の派遣を打ち切る見通しとなった。これを受け、

整形外科医を派遣している島根大

が、外科医が不在になれば内臓損傷の急患や入院患者の急変などに対処できないとして、整形外科医を引き揚げる意向を市に伝えた。


 島根大医学部整形外科学教室の内尾祐司教授は「大田市立病院は内科系の専門医も手薄で、そのうえ外科医も不在になれば、整形外科医が専門外の診断をすることになり、リスクが大きすぎる。外科医不在が解消されれば、再び送り出したい」と説明。「現場の医師の頑張りも限界に来ている。医師不在の連鎖反応は整形外科に限らず、県内の他の病院でも起こりえる」と話した。


 市立病院は県の救急告示病院になっており、2008年度は

1日平均で32・1人

年間1万1728人の救急患者を受け入れた。


 会見で竹腰市長は「島根大が整形外科医派遣の大前提としている外科医の確保に引き続き取り組むが、新年度に間に合わせるのはたいへん厳しい」と現状を説明。今後の診療体制について「救急告示病院の認定返上や、外来を担当する非常勤医の派遣などについて協議している」と述べた。


 県医療対策課によると、県内の救急告示病院は24カ所。06年には津和野共存病院(津和野町)が告示を返上した。











政府も医療崩壊を受けて

診療報酬を10年ぶりに上げました。

しかし、値上げ幅はたったの0.19%。





診療報酬0.19%上げました!

10年ぶりです!!

といっても、

全く希望が持てない医療業界。








0.19%って0.0019ですから

1000円あたり1.9円、

1万円で19円

10万円で190円

100万円で1900円

1000万円で1万9000円

1億円でも19万円しか

上がりません。





1000万円の売り上げで

2万円プラスしたから

医療崩壊どうにかしろ、

といってもね。




10年間、

さんざん削って削って、

医療現場を悪役にして

かなりの医師が擦り減ってしまいました。




上げるときはほんの少しで、

話にならない程度。






労働環境も全く改善されませんし、

行政処分は狂ったように出されるし(1)、

もう危ない医療はしてはいけないと

行政自身が言っているようなものです。





病院をつぶすのが行政の方針ですから、

この医療崩壊も厚労省の役人は

手を叩いて喜ぶのでしょうか。









■開業つれづれ:厚労省が医師の敵になる日 「医師への不当な行政処分を阻止すべき —長妻厚労大臣への要望提出のお願いー井上清成(弁護士)」
http://med2008.blog40.fc2.com/blog-entry-1258.html

















■「「地域枠」医学生 高い意欲」 (管理人注: 最初だけ)





こんな状況にいるのを

学生さんは

分かっているのでしょうか?





仮に、

医学部に入学、

ものすごく優秀で

各教授や周りの学生からも

一目おかれるような生徒がいるとします。




しかし、

だれも彼には期待しません。

なぜなら、

彼は”地域枠”だからです。





彼は、大学卒業後、

世界に羽ばたくため医学研究をしたり

臨床の技術を磨くために国内留学したり

大学に残って、教授の座を目指したり



そんなことは一切できないのです。






なぜなら、

”地域枠”医学生だから。




たぶん、

どれほど彼に才能があっても、

地域に貢献させるしかないのです。



”地域枠”を蹴ったら

二度とその土地に足を踏み入れることは

出来ないでしょう。




マスコミもここぞとばかりに

叩きまくるでしょうからね。

”極悪非道の研修医、地域貢献を破棄”

とかいう論調で。






「地域枠」医学生 高い意欲

2009年1月15日 読売新聞
http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20090115-OYT8T00225.htm

地域医療の大切さを説く熊倉教授の話に耳を傾ける「地域枠」の学生たち(島根大医学部で) 地元優先枠で入った医学生が、へき地医療に熱意を持ち始めた。

 「将来は医師になってこの島に戻ってきます」

 島根大医学部3年の高梨俊洋さん(20)が力強く語ると、拍手が巻き起こった。島根県隠岐の島町で昨年10月に開かれた「地域医療教育シンポジウム」。パネリストの一人、高梨さんは地元出身だ。町で授産施設を運営する斎藤矗一(なおかず)さん(67)は「島に帰ってきてくれれば本当にうれしい。崩壊寸前の離島の医療を支えてほしい」と期待する。

 人口約1万6300人の町では、昨年4月から四つの診療所のうち一つが医師不在になった。町のテコ入れで半年後に確保したものの、今春には別の診療所の医師がいなくなる。中核病院・隠岐病院の産科医は一人で、危険を伴うお産はできない。

 高梨さんは、そんな大変さをよく知るだけに、「一日でも早く貢献したい」と意欲を見せる。県内唯一の医師養成機関である同大医学部が、2006年度から導入した「地域枠」入試の1期生。受験には、へき地の医療機関などでの研修と、出身地の首長の推薦が必要だ。受験できるのは、松江市と出雲市の都市部などを除く県内出身者。導入から3年がたち、学士入学を含めて32人が学んでいる。


 地域枠の学生に将来、へき地の医療機関に勤務する義務はない。だが「思いは伝わっている。受験段階で地域医療の実情の厳しさを見ており、地元からの期待も感じている。地域に貢献したいという意欲はとても高い」と木下芳一医学部長(53)。

 授業内容は一般学生と変わらないが、春夏の長期休暇中に、県内の医療機関で行う医療体験実習への参加を強く勧めている。数日間、来院患者の案内や補助、診察の様子を観察し、勤務医から話を聞く内容で、実際に地域枠の学生の参加率は高い。

 県中央部、大田市出身の岡田祐介さん(20)(2年)は昨夏、隠岐諸島・西ノ島の病院で実習した。「古里が好きだし、古里に貢献したいと改めて思った。実習を通して、勉強の意欲も高まった」

 ただ、地域にとどまらず、高度な医療を学んで能力を高めたいという声があるのも事実だ。「島根で働きたい気持ちは変わらないが、理想の医師像はまだ見えない。他県の先進地域にも行って、様々なことを身につけたい」と3年の山口祐貴さん(21)。

 地域枠の学生を担当する地域医療教育学講座の熊倉俊一教授(48)は「医師が高度な医療技術を身につけることは、地域住民にも大切なことだ」と見る。島根県では、県内のへき地に一定期間勤務した後、大学病院や都市部の基幹病院に一時的に移り、大学での研究に従事できる仕組み作りも始まっている。

 全国的な問題になっている都市部とへき地の医療格差。「医師不足の地域で働く医師を育てるモデルを作るには、10年、20年先を見越す必要がある」(木下医学部長)。息の長い取り組みが続く。(加地永治、安田幸一)

◇…過去の記事では…◇
 「へき地医師の卵に優先枠」(2006年1月5日、『挑む 入試最前線』)

 地元に定着する医師の育成を目指して、地元出身者を優先する「地域枠」を設ける大学医学部が増えている中、島根大1期生の入試事情を追った。






ここまでフォローされていたら、

何年後かに

「地域枠で入学した医学生のうち

実際に医師として地域に戻ったのは

●●人しかいなかった」

とか

また書かれるんでしょう。







故郷を捨てて自分の素質を磨くか、

しがらみをもって早々に地域に土着するか…。



そんな選択をしなくてはいけないのが

医学部の”地域枠”学生さんです。








「故郷で頑張ります!!」

とか言っても、

医師としてトレーニングを何年もしなければ

使い物にならないですし、

僻地でトラブルがあったら

訴訟より怖い状況に陥る可能性があります。






私だったら、

6年生のころになったら

ウツになるかもしれません。





きっとこの学生さんも

「早く戻って来い。できれば産婦人科医として」

という地元の”熱すぎる視線”を

存分に浴びたでしょうから、

胃が痛いのではないでしょうか。






■「医師不足 解消できず【リポートしまね】」

素朴な疑問。

「医師不足は解消すべきか?」





一部の方からは

烈火の如く反論をいただくでしょうけど(笑)、

医師不足は解消すべきものなのでしょうか?

特に僻地において。






国は、

厚労省と総務省が

はっきりと

「病院の統廃合と集約化を進める」

と言っています。





言い換えると、

国は公式に

「田舎の中小の病院、特に公立病院はつぶせ」

と言っているんですが、

なぜかしら

現場から立ち去る医師が

悪者にされているようです。







そのような路線の中、

「医師不足を解消する」

こと自体が

間違った方向であると、

どうして気付かないのでしょう?




あるいは

すでに気付いていて、

行政は

「医師不足を解消する”フリ”」

をしているだけなのでしょうか(笑)。












【リポートしまね】

医師不足 解消できず

asahi.com 2008年10月16日
http://mytown.asahi.com/shimane/news.php?k_id=33000150810160009


◆津和野共存病院、指定管理者制導入1カ月◆

 経営難に陥った津和野共存病院(津和野町森村)を同町が買い取り、町営化して1カ月が過ぎた。経営母体だった石西厚生農業協同組合連合会(石西厚生連)は、町営化した3月31日以降も指定管理者として運営を続ける。重荷だった金融機関からの借入金は、病院施設などを町に売却して得た資金で完済したが、医師・看護師不足など課題は山積する。町内で唯一、入院機能を持つ病院の再出発から1カ月あまりを追った。
(水田道雄)


◆「診察増を」住民ら要望◆


 「医師が増える見込みは」
 「ありません」


 1日夜、津和野共存病院の近くの農村勤労福祉センターで、石西厚生連は住民との懇談会を開いた。町営化と同時に副院長から昇格したばかりの木島聡院長(50)が、集まった約15人の質問に答えた。


 同病院の診療科は内科や産婦人科など9科。町営化前と科目数に変わりはないが、03年度に12人いた常勤医師は5月からは5人、看護師はピーク時より20人少ない約40人に減った。06年8月から大きな手術は実施できず、産婦人科も分娩(ぶん・べん)はできない。


 住民からは「再診が2カ月先になることがあり不安だ」「先生の顔を見るだけで安心なので診察の機会を増やして」などの意見や要望が相次いだ。


■借入金を完済    


 石西厚生連は1919(大正8)年、貧困で医療を満足に受けることができない農民を救済しようと、全国に先駆けて旧日原町(現津和野町)に設置された産業組合立の診療所を原点とする。津和野共存病院のほか、旧日原町に日原共存病院と老人保健施設を運営していたが、全国的な地方の医師、看護師不足や診療報酬の引き下げで経営が悪化した。


 05年度からは町が毎年1億~2億円前後の運営資金を貸し付けたり、補助したりする支援に乗り出した。厚生連も昨年11月、入院受け入れを津和野共存病院に集約して日原共存病院は診療所に衣替えする経営改善に取り組んだ。


 しかし事態は好転せず、最後は「地域医療や雇用を守る」(中島巌町長)として、町が3月、3施設と設備などを計13億687万1千円で買い取り、厚生連はその収入で病院などの建設に伴う金融機関からの借入金(06年度末で約9億5千万円)などを返済した。


■救急指定返上


 共存病院は99床。現在は64人の入院患者がいる。06年12月に「救急指定病院」を返上し、夜間は入院患者に対応する当直医しか置いていない。当直医は緊急時の応急処置や電話相談に応じているが、救急患者は約40キロ離れた益田市の益田赤十字病院や隣県の山口市などに搬送される。


 木島院長は「急患の受け入れができないことなどで『怠慢だ』という指摘を受けることもあるが、したくてもできないのが現状だ」と打ち明ける。


 厚生連が指定管理者に指名されたのは今年度末までの1年間。町に対し、月額157万5千円の施設利用料を支払う契約だ。「経営の安定」と「地域医療の確保」。二つの課題の達成に向け、町にとっても厚生連にとっても正念場の1年となる。




このご時世に、

時代に逆行する

>同町が買い取り、町営化して1カ月

という太っ腹ぶり(笑)。




なかなかできることではありません(笑)。

値下がり決定の株を

買い続けるようなものです。




しかも、

病院の場合は急によくなることは

日本政府が転覆しない限り、

望みはかなり薄いです。




「毎年、巨額の赤字を出す施設を買い取った」

と同意なんですが、

分かっていないようで…。





国が

>診療報酬の引き下げで経営が悪化

するようにしているのですから、

地方医療が

どん底になるのは当たり前で、

むしろそのように誘導しているのです。




そのうえで、

生き残った病院に医療を集約させる、

と国は

言っているわけです。






すでに

医療業界では

この構図は理解されており、

「沈む船」から

多くのスタッフが流出しています。




そして、

「大学病院の医局はけしからん」

「開業医もけしからん」

「産婦人科医はけしからん」

「救急医はたらい回してけしからん」

と、

医療現場全体を叩いて

「日本医療全体が沈む船」

です。





金融に

「経営責任を問わないまま」

「予防的公的資金」を

導入するのもいいのですが、

日本医療にも早急に

「公的資金」でも

なんでも投入しないと

このまま”医療終了”

という看板が立つことでしょう(笑)。
















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ID上、ブログではmedさんとも呼ばれてます。

某大学医学部を卒業
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医師免許取得: 医師にはなったけど、医療カーストの一番下でした。
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大学院卒業(医学博士): 4年間、院生は学費支払って給料なし。
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さらにアメリカの大学勤務: 激安給料
 ↓
日本の大学病院勤務: 労働基準法が存在しない。

フルコースをこなしたため貧乏から抜け出せず。
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大学から地域(僻地ともいう)の救急医療で疲弊しました。
 ↓
田舎で開業、借金は天文学的数字に。


今は田舎で開業して院長になりました。
でも、教授に内緒で開業準備していたころのハンドルネーム”中間管理職”のままでブログを運営してます。

ブログは主に
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