2008/12/02
■「高齢者医療滞納20万人」
全体の5%が後期高齢者医療制度の
医療費を滞納しているようです。
…これって
制度自体が問題なのでは(笑)?
トヨタ様の「マスコミ報復」恫喝で、
厚労省への批判が激減してしまいましたが(笑)、
やっぱり悪い制度は
悪いまま残っているようです(1)。
高齢者医療滞納20万人 主要72市区を本紙調査
asahi.com 2008年12月1日
http://www.asahi.com/health/news/TKY200811300182.html
75歳以上が入る後期高齢者医療制度(後期医療)で、全国の主要自治体72市区で保険料を滞納している人が10月末時点で、約20万人いることがわかった。1年以上滞納すると原則、保険証を返還させられ、「無保険」状態となる。滞納者には低所得者や長期入院中の人が相当数いるとみられ、個別の事情に配慮した対応が求められそうだ。
4月に導入された後期医療で、全国的な滞納者の数が明らかになったのは初めて。朝日新聞社が11月下旬、全国の県庁所在都市と政令指定都市、東京23区を対象に調べた。加入者数は計約415万人で、全国の約3割にあたる。
東京都文京区を除く72市区が回答。滞納している高齢者は計20万6745人と、全体の約5%だった。1千人を上回る自治体が57あり、さいたま市、横浜市では1万人を超えた。滞納者が加入者の1割を超える自治体は11あり、東京都杉並区は約2割に上る。
後期医療の保険料は原則、年金からの天引きだが、年金額が年18万円未満の高齢者は現金で払うか、口座振替などで支払う。保険料徴収は、6月から順次始まっており、滞納が1年間続くと、病気など特別の事情がない限り、原則保険証を返還させられる。
保険証が無いと、医療機関の窓口で、いったん医療費の全額を自分で払わなければならない。治療が必要でも受診を控え、病状悪化につながるなどと指摘されている。返還させるかどうかは、都道府県ごとに設置された広域連合が決めるが、事実上、徴収事務を担う市区町村が判断すると見られる。
政府・与党は、「相当な収入があるにもかかわらず滞納している悪質な場合に限って適用する」と、返還に関する方針を示したが、具体的な判断は広域連合にゆだねた。
今年3月に廃止された老人保健制度では、保険証返還の規定は無かった。
同様の規定は、国民健康保険にもあり、親の保険料滞納により全国で約3万3千人の中学生以下の子どもが「無保険」状態にある。
子供の無保険も問題ですが、
老人の無保険も
これまた問題です。
国は
「急性期医療だけは
どうにか温存して
老人医療は切り詰め、
出来れば切り捨てたい」
という方針のようです。
しかし、
医療経済学的には
重症化してから
病院に行く方が
よっぽどお金がかかることが
知られています(2)。
老人の保険を切り捨て
結果的に
老人の医療費をさらに増大させる、
そんな制度が
進んでいます。
外資系を含めた
保険会社が、
「日本の国民皆保険はつぶれました。
いまこそ自己責任で保険に入りましょう」
という、日本人の命を保険商売にするのを
虎視眈々と狙っています。
(1)
「後期高齢者医療制度」記事です
http://med2008.blog40.fc2.com/blog-category-5.html
(2)
医療経済学の基本の本。
麻生首相が「予防医学」うんぬん
って言ってますが、
どんだけバカか、良くわかる本です。
「予防医学では医療費は減らない」
「予防医学では社会保障費は逆に増える」
という結論です。
ついでに言えば
「たばこを吸う率が減ると、社会保障費は増える」
ということもはっきり述べられています。
医療経済の必読書です。
クリックするとアマゾンに飛びます。
![]() | 「改革」のための医療経済学 (2006/07) 兪 炳匡 商品詳細を見る |