2008/04/21
>センターは07年度は24億円の赤字が見込まれ、13年度には70億円に膨らみ、市は『財政再生団体』に転落する>06年10月に開院して間もない時期のPFI見直し。…(笑)。
民間の”効率化”で
”古い医療を改善する”と
鳴り物入りで導入された
PFIも、
結局は民間企業努力ですら
どうしようもないほど
すでに”医療は効率化されており”、
あとは、
”医療関係者の献身的努力”で
何とか維持されている、
という地方病院の現状をあらためて
さらけ出す結果となっています。
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近江八幡市立総合医療センターを考える会 /滋賀毎日新聞 2008年4月19日
http://mainichi.jp/area/shiga/report/news/20080419ddlk25040572000c.html◇「PFI」見直しに慎重姿勢
◇計画通りなら「黒字」のはず、正確な情報の共有を
東近江保健医療圏の課題を議論しようと、3月末に近江八幡市鷹飼町の県立男女共同参画センターで開かれたシンポジウム。同市や東近江市などの住民や議員、医療関係者らで作る「近江八幡市立総合医療センターを考える会」(中谷哲夫会長)の主催。同市の諮問機関「あり方検討委員会」が同センターのPFI(民間資金等を活用した社会資本整備)方式の見直しに積極的なのに対し、考える会は慎重姿勢で対立する。シンポの議論を詳報する。
◆シンポの経緯◆
考える会がシンポを開いたのには伏線がある。その一つが検討委の答申だ。それによると、「センターは収入が当初の見込みほど確保できないのに支出が高水準。
センターは07年度は24億円の赤字が見込まれ、13年度には70億円に膨らみ、市は『財政再生団体』に転落する」などと警告。原因は「市が十分な経営計画も立てずに豪華な病院を建てた」とした。改善策として「現行のPFI方式で経営が維持できるかどうかを検討し、SPC(同院を運営する特別目的会社)と交渉し、毎年4億円以上の支出削減が不可能なら、契約の解除も検討すべきだ」などと提言した。
これを受け、冨士谷英正・近江八幡市長は「厳しい答申だが、早急に提言の具現化に努めたい」と表明した。
06年10月に開院して間もない時期のPFI見直し。しかも同委が設置されて、わずか2カ月での“駆け込み答申”。これに対し、一部の関係者や市民が「これだけの病院だから、最初は苦しいのは分かっていたはずだ」と反発し、考える会を結成し、シンポを開いた。
◆豪華病院か?◆
シンポの開会あいさつで、中谷会長は「センターが市長交代期から暗雲立ち込め、このままでは破綻するとされている」と指摘。「いささかセンセーショナルに言われているが、本当にそうなのか。もし事実とすれば何か手立てはないものか。皆さんと正確な情報を共有していきたい」と述べた。同会顧問の浅野定弘・県医師会長も「センターの開設に直接、間接的にかかわった者として病院の存在を脅かす伝聞に不安を感じる。一番迷惑を受けるのは市民。センターは東近江保健医療の中核病院なだけに、しっかりしてもらわないと」などと語った。
パネルディスカッションでは、市議時代に同センター開設にかかわった大橋正光・元同市議会議長は「財政負担の削減と建築費の平準化からPFI方式による建設を決めた」と説明。「検討委は豪華病院というが、センター1床当たりの建設費は2580万円。同規模の自治体(1床当たり3240万円)より安く、民間病院(同2530万円)と変わらない」と反論した。その一方、「SPCと病院の役割分担の明確化や管理者の不在が問題で、不備があれば、SPCに注文すべきだ。市外の患者も多く、周辺自治体にも応分の負担をしてもらったら」などと提言した。
◆赤字のとらえ方◆
岡地勝二・龍谷大教授は「検討委は『赤字が28億も出た。PFIはダメだ』と言うが、市が発表した昨年の赤字24億1000万円にはPFIと関係ない減価償却費や固定資産除去費など21億7000万円が含まれている」と解説。実質的な赤字は2億3000万円としたうえで、「市の繰入金7億5000万円が当初の計画通り10億円なら、2000万円の黒字のはず」と試算した。「5年間、当初の計画通り10億円ずつ繰り入れれば第二の夕張になんかならない。都合のいい数字だけ出して議論するのはいかがなものか」と疑問を呈した。一方、岡地教授は、金利が5・37%で高いとの批判について「基準金利は1・82%で、一般の最優遇20年債と比較しても低利。これに資金調達手数料とSPCの利益分3・55%上乗せして5・37%になった」と説いた。「本来は別途計上すべき利益分なども合算した名目上の利息をとらえ、高金利と判断するのは誤りだ」と訴えた。
◆市側の反論◆
市側はシンポでの議論について「確かに減価償却費など一時的なものもあるが、
24億円の赤字は赤字。次年度は減るが、それでも十数億円の資金が要る」と反論。正木仙治郎副市長は「毎年出していたら、市の基金も5年で底をつく。連結決算が始まったら、本体の市が倒れてしまう。そのために、どうするかが問題で、検討委の提言に沿い、鋭意施策を進める」としている。
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結局は、
”医療をすること自体を国が認めていない”という現状なのです。
国は、
●病院をつぶしてベットを減らす
●療養型病床を減らして患者を自宅に帰す
●自宅で介護させて医療費を”無料の家族の努力”に転嫁させる
●医療関係者は労基法を無視して限界まで働かせる
そして、
●診療報酬はPFIですら黒字が出せないほど
限界まで切り詰め、国が”病院の赤字”を作り出している
という事になっています。
あくまで国策ですから、
抵抗のしようがありません。
ここでパンデミックでも襲ってきたら…
なんて思うのは
不謹慎でしょうか(笑)。