2009/01/26
■眼科医 当直禁止令 「適切な治療怠った当直眼科医を書類送検」
さて、ビックリ。全国の眼科の先生方、
当直禁止令が出ました。
専門医レヴェルで診れないなら、
救急対応を禁止
するというのが福井県警の見解のようです。
自分の診療科ではないものも診て、
その上である一定確率で
トラブルは起きてしまいます。
自分の専門であっても
予想もしないことは起こりえるわけですから。
それなのに、
「全くミスは許さないし、ミスがあったら”業務上過失致死”」
という方針では
救急なんか出来なくなってしまします。
「悪意」や「故意」がない状態での
医療の結果が悪いことに関して
警察はどこまで介入するのでしょう?
適切な治療怠った当直眼科医を書類送検
日刊スポーツ 2009年1月23日12時12分
http://www.nikkansports.com/general/news/f-gn-tp0-20090123-453023.html
福井県警は23日までに、2004年に同県敦賀市の市立敦賀病院に搬送された男性患者に適切な治療をせず、この患者が死亡したとして、業務上過失致死容疑で病院の当直だった眼科の男性医師(35)を書類送検した。
調べでは04年6月5日、敦賀市内の暴行事件で負傷した無職石橋勉さん(当時61)が病院に運ばれた際、骨折した肋骨(ろっこつ)が肺に突き刺さっていたにもかかわらず、男性医師は、エックス線撮影で確認できず、適切な治療をしなかった疑い。石橋さんは2日後に肺挫傷で死亡した。
敦賀病院によると、医師は04年4月から05年6月まで眼科医として勤務。現在は金沢市内の病院に移ったという。(共同)
誰かが暴行して起きたけがですよ???
なぜ医師がここまで
処分されるのでしょう?
>敦賀市内の暴行事件で負傷した
暴行事件で負傷したのに、
なんで医師が業務上過失致死が
つくんでしょうね?
2004年6月の事件が、
今2009年になって書類送検、
ということは4年がかりで
かなり練りに練ったうえで
やっているということです。
眼科医師が30歳の時、
暴行事件(っていうことはケンカでしょうか)の
患者さんを診て、
ろっ骨骨折を見落とした。
35歳で書類送検。
…それを見たり聞いたりした
周りの先生方はどう思うでしょうか?
「やっぱり、当直はしたら負け」
「親切心であっても、救急患者を受けたら医師人生が終わり」
ってことです。
同じ30-35歳ぐらいの医師が
救急現場でバリバリやっているのに、
この同年代の
業務上過失致死による書類送検は
ばっさりと冷や水をぶっかけるような効果があるでしょう。
「同じ年齢の医師も、専門外であっても書類送検されちゃうんだ…」
「救急やったら負け、って言われていたけど、
業務上過失致死になるような”過失”が認定されるんだ…」
ほかの業種では考えられないことです。
眼科の先生方、
これで当直免除の言い訳ができちゃいました。
院長: 「当直やってくれないか?」
眼科医:
「最近、眼科医がろっ骨骨折を見落として県警に業務上過失致死で書類送検されてましたので、私には出来ません」
あるいは
「当直してもいいですが、専門家以外はすべてほかの病院に送るか、専門の医師に診てもらうことになります」
とお答えするよりほかないです。
だって、警察はそのようにしなくては法に抵触する、
と高らかに言っているわけです。
司法では「加古川事件」で
どんなに素早い搬送をしても
死んだら医療側の敗訴。
県警も今回、
何かであっても救急をやる以上、
専門でなくても専門家並の診断と治療が
出来なければ業務上過失致死、
という判断のようです。
…これは、
県警の要求する日本の救急医療は
絶対にミスをするな、
必ず専門医が診断治療し、
そうでなければ、
専門医並のレヴェルを絶対確保しろ、
ということのようです。
間接的に、
「医師は専門以外の当直、救急医療を禁止する」
ということです。
なーんだ、
福井県警も、
日本の救急医療を廃止しろ、
って運動をしているんですね。
警察が潰す日本の救急医療、
ということです。
福島県の後は
福井県ですか。
皆様、
自分自身のことを大切にしてください。