2009/02/09
■マスコミに対する無力感 誤用の連続「たらい回し」 憲法無視の「計画配置」
読売新聞は「医療改革提言」なんて
ことを特集しているようですが、
これじゃあね…。
マスコミの、
特に読売の
単語の誤用と、
憲法違反推進は
どうして止むことがないのでしょう?
連発する「たらい回し」ですが
「受入れ不能」とするのが
正しいのではないでしょうか。
とても混んでいるシーズンに
ホテルが取れなくて、
ほかのホテルを進められても
読売新聞は「ホテルによるたらい回し」
とでも言うのでしょうか。
この「たらい回し」表現で
どれほど多くの救急医療関係者が
傷つき、現場を離れているか
読売は全く理解していません。
また、医師の計画配置は
舛添厚生労働大臣に
「憲法違反だからそんなこと出来ない」
と一蹴されています(1、2)。
こんな理屈では、
国公立大学卒業の方は
すべて大学地元に就職すべきで
卒後5年間は縛り付け、
と言っているのと同じです。
こんな新聞を読んで
世論が形成されたら、
「医師にすべからく居住の自由はない」
ということになってしまうのではないでしょうか?
医療改革提言 とちぎの現場から 一覧
(2)たらい回し防止
「急患センター」開業医が輪番制で
2009年2月6日 読売新聞
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/tochigi/feature/utunomiya1233760579815_02/news/20090205-OYT8T01236.htm
「幼稚園で娘が突然熱を出して…。めったに熱を出さない子なんです」。午後8時近く、4歳の女児を連れた母親が心配そうな表情で、小山市若木町の「夜間休日急患センター」を訪れた。
小山市民病院に隣接する同センターでは、小山地区医師会の開業医約180人が、内科と外科で1人ずつ当番で診察にあたる。この日の当番、船田内科外科医院(同市松沼)の船田隆医師は「熱を出したのはいつ?」「せきは出る?」と質問しながら、手早く診察し、解熱剤を処方した。
母親はこれまで、女児が体調を崩した時には自治医大病院(下野市)に連れて行っていたという。「軽症患者なら、大学病院まで行かなくてもここで十分対処できる」と船田医師は言う。母親は「待ち時間もほとんどなくて助かった」と、安心した表情で帰っていった。
全国各地で問題になっている救急患者の「たらい回し」は、救急病院に軽症患者が集中していることが一因とされる。
同センターはこうした事態を防ぎ、3次救急を担う自治医大病院の負担軽減を図るため、初期救急患者の受け皿として昨年4月に開設された。
昨年12月末までの利用者数は5328人。小児科の患者が約6割を占め、土日の利用者は100人を超えることもある。センター以外でも、医師会の小児科開業医10人が、輪番制で午後7時半まで診療を受け付けている。当番は月に数回で、開業医にとって大きな負担にはならないという。
この結果、自治医大の夜間休日帯の利用者は昨年4~12月、前年同時期の25%減となる1万7228人に減った。特に、連休の多い5月は小児科の患者数が半減。センターを運営する小山広域保健衛生組合は「予想以上の効果。自治医大とのすみ分けができ、現時点では大成功」と手応えを語る。
ただ、センターは夜間休日の「急患」対応にもかかわらず、「なんとなくだるい」といった救急以外の利用者もいるという。読売新聞では、「不要不急の救急受診を減らす」ことも提言に挙げている。小山地区医師会理事の浅野孝医師は「救急の意味を理解していないように見えるケースもある。医療体制の充実のためには、医療機関と患者双方の努力が必要」と指摘している。
3次救急 外来で軽症患者を診る初期(1次)、入院が必要とされる患者を担当する2次救急に対し、命にかかわる最重症患者が対象。県内では、「救命救急センター」がある大田原赤十字、済生会宇都宮、独協医大、自治医大付属、足利赤十字の5病院が指定されている。
医療改革提言 山梨の現場から
【1】専門治療崩壊の瀬戸際
■緊急対策■医師不足解消、若手医師の計画配置を
■構造改革■医師を増やし偏在をなくそう
2009年2月6日 読売新聞
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/yamanashi/feature/kofu1233847342225_02/news/20090206-OYT8T00040.htm
まず、解決すべきは医師の絶対的な不足だ。医学部の定員を2割程度増やして1万人とし、欧米並みを目指す。ただ、医学部の在学期間と初期研修期間(現行2年間)を合わせて最低8年間かかるので、すぐには医師不足に対応できない。
産科や救急医療の体制を維持するには、診療科や地域ごとに生じている医師偏在の是正が欠かせないが、今、働いている医師を他の専門・地域に替えるのは現実的ではない。
初期研修を終えて後期研修(3~5年間)に進む若手医師を、計画的に配置すべきだ。それにより、中核病院に人的余裕が生まれ、中堅医師の医療過疎地域への派遣も可能になる。
計画的配置では、大学や基幹病院、自治体、医師会などが第三者機関を設立。地域や診療科ごとに必要数(定員)を定め、若手医師の希望や意欲も聞いて、すり合わせるなどのシステム作りも求められる。
◇
「子供の頃に温かく接してくれた地域の人たちに恩返しがしたい」
1月24日、県医師会と県が共催し、甲府市内で開いた「研修医を囲む会」。自治医大(栃木県)を卒業し、生まれ育った山梨県に戻ったある研修医が地元への思いを語ると、会場から大きな拍手が起こった。
25人の研修医を囲んだのは、横内知事のほか、県医師会長、山梨大医学部付属病院長らそうそうたる顔ぶれ。口々に山梨の魅力、地域医療のやりがいが語られた。終了後の懇親会では、テーブルを回って、研修医一人ひとりと言葉を交わす知事の姿があった。
医学生は、研修先の病院にそのまま就職するケースが多い。研修医の確保は、地域医療の未来を左右する。
しかし現実は厳しい。
2009年度から県内の病院で初期臨床研修に入る医学生は、89人の定員枠に対して48人(昨年10月現在)。全国平均の69・6%を下回る53・9%にとどまった。
医学生の人気が集中するのが、東京など都会の病院だ。最新の医療機器に加え、患者・症例数が多く、医師としての経験を積めると期待されるためだ。実際、09年度に研修医を全国平均以上に確保できたのは、東京、大阪など大都市が中心だ。県の担当者は「都会の病院が定員を減らさない限り、地方に来る研修医が増える望みは薄い」とため息をつく。
一方、県内の医師不足はすでに深刻な状況だ。
10万人近くが住む県東部地域で、唯一出産が可能だった都留市立病院は、08年4月から扱いをやめた。市立甲府病院でも精神科外来の診療や消化器内科の専門治療がストップしている。厚生労働省によると、県内の人口10万人あたりの医師数は199・1人(06年12月末現在)と、平均の217・5人を下回り、全国ワースト10に入った。
県は、医師を県職員として採用し、医師が足りない病院へ派遣する「ドクタープール制」を07年度から始めた。だが、今のところ採用実績はゼロだ。
絶対的な医師不足と研修医の都会集中という「ダブルパンチ」に、県や地方自治体には無力感も漂う。
山梨大医学部5年の北見欣一(よしかず)さん(28)は「へき地で勤めていても、その地域の基幹病院で手術などに参加でき、医師としての技術を磨ける仕組みがあればいいのだが」と語る。
国が有効な対策を打ち出さなければ、県民の安心は大きく揺らぎ続ける。
読売社説で提言してしまったものだから(1)、
例え憲法違反だと
大臣に笑われても
小出しにして「医師の計画配置」の
雰囲気を作るつもりなのでしょうか。
さらには
財源なく医師数だけ増やしても、
医療は崩壊することでしょう。
国は、今後の医療政策として、
財源なしで医師数だけを増やすとしています。
これは
「医師に対しては金を出さない。
医師一人あたりのお金は減らしていく」
と言っているのです。
まったく根本が分かっていないマスコミと
さらなる医療崩壊を進める厚労省…。
「医療に対するマスコミ改革」
の提言をしたいぐらいです。
(1)
■読売社説 日本の医師に自由はいらない(笑) 「医師を全国に計画配置、医療改革で読売新聞社提言」
http://med2008.blog40.fc2.com/blog-entry-412.html
(2)
産科医療のこれから
医師の計画配置は「憲法違反」 舛添厚労相インタビューhttp://obgy.typepad.jp/blog/2008/10/post-1341-67.html
コメント
幼稚園
「救急の意味を理解していないように見えるケースもある。」
そんなケースのほうが多いことが問題なんですが。
2009/02/09 11:13 by REX URL 編集
そういえば、読売新聞は憲法改定積極賛成でしたから、たぶんそこに「医師は基本的人権を制限する」という一文でも入れるつもりなんでしょう。だとすれば、今の一連の「医療改革提言」もつじつまが合いますし。
2009/02/09 11:31 by Seisan URL 編集
凄まじいですね…
ひよこを先に送って、親鳥を自由にする…
斬新な発想ですね。
ひよこが討ち死にする姿が目に浮かびます…orz
2009/02/09 11:51 by うろうろドクター URL 編集
憲法改正は不用
それに比べれば、公共の福祉を理由に医師の自由を制限する程度は楽勝で合憲です。
2009/02/09 14:04 by 中華 URL 編集
2009/02/09 14:25 by Seisan URL 編集
何期待してんだかw
お国は医療を破壊するつもりですから無理かとw
2009/02/09 15:34 by 元外科医 URL 編集
読売の妄想ですね。
医師や医学生が地方自治体と契約しているわけではないので、そもそも地方への強制配置は法律に触れるからできないのです。
契約なしの強制配置の例は先進国にはありません。
オーストラリアが、地方に派遣する医師を特定の大学で、別枠で募集している程度。
これは入学時からの契約です。
そういう契約なしで強制配置できないのは、当たり前のことです。
だから、そういう事例はないのです。
読売の記者は海外の医療事情と、法律を一から勉強しなさい。
でないと、いつまでたっても読売は愚か者のたわごとにすぎません。
2009/02/09 15:53 by 鶴亀松五郎 URL 編集
それを度外視した、地方への配置は間違ったこと。
要するに読売の記者は、医療も臨床もなにもわかっていないのです。
こういう記事や論説を載せること自体が、恥の上塗りです。
2009/02/09 15:58 by 鶴亀松五郎 URL 編集
小児救急の電話相談、深夜対応は4府県
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090209-00000000-cbn-soci
>「未実施」と回答したのは、富山と沖縄だった
>沖縄は病院に来てくれればすぐに対応するので必要性がなく
こんなんだから中の人が疲弊するわけで
補給なし(ていうか相手部隊に燃料投下?)に各隊一層奮起せよ、ってか
2009/02/09 16:10 by 南島の管屋 URL 編集
⇒ 中核病院で、後期研修の指導を誰がするんだ? タダデサエ人がいないのに。
「医師は基本的人権を制限する」という一文でも入れるつもりなんでしょう
⇒ 逃散の決めゼリフは、『早く人間になりたい!』
そして、ひょんなコトから魂を食べられて、『君をニンゲンにしてあげるよ』と、三つ目の美少女と冒険の旅に出る。 最近では、『僕は人間だ!』と言って同族のイノベーターと戦う。 そんな話があったような・・・。
10年前にドロッポしました サマ
ネット検索してみましたが、穴掘り拷問の元祖は、古代ローマのようです。 でも、大元の資料を見つけられませんでした。 スミマセン。
・・・いろいろ一気に、失礼しました。
2009/02/09 20:03 by おだまき URL 編集
そこで「社会奉仕命令」ですよ。
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犯罪者を刑務所に入れずに街で清掃などをさせる「社会奉仕命令」と、刑期の途中で刑務所から釈放して社会のなかで更生させる「一部執行猶予」の制度が、日本で初めて導入される見通しとなった。
受刑者の再犯防止と社会復帰を効果的に進めながら、刑務所の「過剰収容」も解消する狙い。硬直化していると言われてきた日本の犯罪者の処遇政策を多様化させる転換点になりそうだ。
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罪状「たらいまわし」「医療ミス」で逮捕。僻地で再犯防止の精神を叩き込むため強制労働。いかがですか?
2009/02/10 12:27 by URL 編集